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「さよなら」が知ってるたくさんのこと

読書仲間に借りて読んだ、唯川恵先生のエッセイ集。
唯川先生といえば、やはり「燃えつきるまで」の印象が強い。
破滅的なエネルギーを孕んだ愛と憎しみを抱え、自分を失っていった彼女。
あの激しい作品は、こんなにも自然体でラフな文章を書く人から生み出されたのか、と小さな衝撃を受けた。

私はこれまでの人生で、おそらくほぼ無意識のうちに、良かれと思って、褒め言葉として「いい人」という言葉を他人に与えてきた。
しかし、それは誰にとっての「いい人」だったか?
考えさせられた。

また、私は「結婚」というものに夢を見過ぎだと、痛感した。
結婚というのは、ただの通例儀式に過ぎず、それまでもそれからも、苦労は山積。
難しいね。
私だって、わかっている。
結婚したからと言って、長年の悩みの腰痛が治るわけでもないし、宝くじが当たるわけでもない。
それでも結婚に憧れるのは、両親の関係性や、家族という形に憧れがあるからだと思う(私の場合は、だけど)。
でも、結婚をゴールにしてしまうのは惜しい、ということはよく分かった。
だからこそ、覚悟を持って、自分の将来に向き合いたいと思った。

そして、自分に宛てて、カッコつけずに、手紙を書いてみようかなと思った。
生まれてからこれまで、いちばん近くで私のことを見てきたのは、紛れもなく自分である。
そんな自分に、感謝を込めて、手紙を書いてみようと思う。
これまで、どんな風だったか。
これから、どう生きたらいいか。

この本は2001年発売だが、20年以上経ってもなお、なるほどそうだよね、と人を頷かせることができる。
大切なことは、変わらないのだ。
今も昔も、そしてきっと、これから先も。

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