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海外の起業、成功の鍵はあるか?

よく海外で、起業を成功する秘訣はありますか?と聞かれます。
僕のビジネスに限って言えば、いろいろとあると思いますが、
どんな分野にも通用する万能キーはないかもしれません。
それでも、いくつか準備すべき事項はあります。

海外旅行してきて、気に入って起業する

まず、必ずしなければならないことは、どのようなビジネスを、
誰に売るかを決めることです。
実際に多いのですが、現地のビジネスをよく調べずに、海外起業する人がいます。
一度、海外旅行してきて、気に入って起業する、というパターンです。
起業時の情熱はすごいのですが、現地のビジネスをよく調べていないので、
行き当たりばったりになります。

やはり、現地のビジネスは、現地の人に買ってもらえないと、成り立ちません。
そのため、どんなビジネスでも良いのですが、誰に売れるかをきっちり知らなければ、
そもそも成り立たないと思います。
この点のデザインが非常に甘い人が、日本人起業家の場合に多いのが気にかかります。

海外で会社を作るのは、それほど大変ではない

次に、日本でやるよりも、外国でやることの方が、ものすごいメリットがないといけません。
ほんのちょっと、メリットでるよね、というのでは意味がありません。
日本でやるよりも、2倍、3倍良いよね、というメリットがないと、
何年も続かないと思います。

海外で会社を作るのは、実はそれほど大変ではありません。
大変なのは、その作った会社を、維持していけるかどうかなんです。
海外で起業した人が、3年経過後も、引き続き、生き残っている人は、ほとんどいません。
たとえば、1月に100人くらいの新たに起業した人と知り合っても、
その2年後の12月には、7割以上の人はもういません。

どっちも儲かるが必要

最後に、その外国だけでクローズせずに、日本と外国の双方でビジネスを維持して、その両国間の双方向で、商売をすべきです。
これは、外国の商材やサービスが日本で売れて、日本の商材やサービスが
外国で売れるような体制です。
このような旨味がないと、2つのビジネスを続けていけなくなります。

日本と外国の双方でビジネスを維持するだけでも大変なのに、その2か国間の双方向の間で、商売をするなんて無理だよ、と思うかもしれません。
確かに、多くの方は、日本でビジネスするのが、大変で将来が暗いから、
海外で起業したいのかもしれません。
しかし、海外で起業して維持することは、日本で起業することよりもさらに大変です。

日本で何も成功したビジネスがないのに、海外で起業してうまくいくことは、まず考えにくいです。
むしろ、日本でのビジネスと海外のビジネスの相乗効果を発揮できれば、
日本で競合している他社に比べ有利になります。
一方で、海外ビジネスの厳しい活路も、日本のビジネスの後押しで、
切り開ける可能性がずっと高まります。

海外で、起業を成功する万能キーはないです。
それでも、海外ビジネスに特化したアプローチはいくつもありますので、まずはそれを試してみることをお勧めします。

海外で、意外に少ない日本人和食オーナー

海外では、よく飲食店をやりたい方が、多いです。
たしかに、日本食は、世界中でブームですが、それでも失敗する可能性の方が高いといえます。
別に、これは、コロナが原因という訳ではありません。

たとえば、飲食店を、現地の和食好きの外国人に売る、と決めているとします。
実際に多いのですが、現地の状況をよく調べずに、海外に飲食店をオープンする人がいます。
まあ、和食は世界的に人気だから、大丈夫だろうという、あまい読みですね。
現地の飲食店は、現地の人に来てもらえないと、成り立ちませんよね。

たとえば、いまの中国で、日本人が経営している日本料理店は、本当に少ないんです。
中国人や台湾人がやっている日本料理店が、ほとんどです。
中国現地に駐在している日本人のみが、日本人が経営している日本料理店に通っています。
中国の日本人駐在員は、もうピークに比べると、少なくなってきているので、既存の和食店との競争が厳しくなっています。

これは、アメリカでもそうなんですが、同じアジアの食文化なので、
中国人、台湾人、韓国人からすると、和食を始める際のハードルはそれほど高くありません。
むしろ、彼らの方が、スピードが速く、現地の顧客ニーズを素早くキャッチアップできるので、この点で日本人は負けてしまいます

タイやベトナムも、ここ数年で、日本人が経営している日本料理店は、
現地の日本人駐在員のみがお客さんという構図が、はっきりしてきました。
バンコクでも、タイ人は、日本人経営の和食には金持ちしか行きません。
ちょっとおしゃれで、かつ、リーズナブルなタイ人の経営している和食店に行っています。

つまり、減少しつつある、現地の日本人駐在員がターゲットで、すでにある日本人経営のお店といかに戦うか、デザインしなければなりません。
次の日本でやるよりも、外国でやることの方が、ものすごいメリットを生じさせるという点ですが、この点も和食店は厳しいです。

海外和食店のコストとは

いやいや、海外の方が食材は安いはずだよ、と思うかもしれません。
現地で採れるものは安いんですよね。
通常、和食に使う食材は、日本で買うより1.5倍くらい高いです。
かといって、日本よりも高い値段で食材を集めて、それを値段に反映してしまうと、そのお店に来てくれる人は限られます。

高い値段帯では、海外では何年も続かないと思います。
食べ物に高いお金を払うのは、一部の金持ちのみです。
出店計画を、かなり練らないといけないと思います。

負けない海外和食ビジネス

最後に、その外国だけでクローズせずに、日本と外国の双方向でのメリットを、和食店でどう出すかです。
海外で起業する場合に、その外国だけでクローズせずに、日本と外国の双方でビジネスを維持して、その両国間の双方向で、商売をすべきだと言いました。

これは、外国の商材が日本で売れて、日本の商材が外国で売れるような体制だと、息の長いビジネスが可能なんですよね。
たとえば、日本のお店からシェフを呼んだり、食材をお互いの国同士で空輸し融通できれば良いのですが、大きなコストがかかりますよね。
たとえば、日本のお店からシェフを呼ぶと、現地で調達する場合に比べ、
2-3倍は給料が高くなりますので、果たして、現地の経営上のメリットが出るか疑問です。

海外では、よく飲食店をやりたい方が、多いです。
まあ、和食は世界的に人気だから、大丈夫だろうという、あまい読みですね。
たしかに、日本食は、世界中でブームですが、
それでも失敗する可能性の方が高いと思います。
あるいは、ポストコロナの外食への回帰ブームを狙って、短期間の出店というのは、アリかもしれません。


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