殺気溢れるおっさんとジェット風船
これは弟と近くの公園でキャッチボールをしたときのできごとである。
ある晴れた休日、身体を動かしたかった私は弟にキャッチボールをしようと誘った。
広い公園が自宅から徒歩圏内にある。仲睦まじい兄弟もとい、アラサーのおじさん2人は公園に向かったのだ。
公園に到着。
そこには親子連れや友達同士で遊ぶ小学生がたくさんいた。
ボール遊びをしたい気持ちに年齢など関係ないという気持ちでキャッチボールを始めた。
僕と弟の2人は次第に熱くなり、翌日の筋肉痛への恐怖を忘れてボールを投げてた。
次第に小学生たちはその場から離れていったのだが、鋭い眼光で僕らを見ているおっさんがいたのだ。
そのおっさんは身長は170cmぐらいの細身で
・白い帽子
・ベージュ色の上下ジャージ
・赤いランニングシューズ(厚底ではない)
・赤い金属バット
を身につけていた。
シューズとバットの色揃えちゃってシャレたおっさんだなと思った。
おしゃれなだけなら良かったのだが、僕らがキャッチボールを始める前からバットを利用して球拾いしてたのだ。殺気感じる鋭い眼光で。
シンプルに怖いよね??
そんなおっさんに絡まれるのが嫌すぎた僕らは、球を逸らさないようにキャッチボールを続けた。制球力が上がった気がしたのだが、試合でもないのに殺気を出さないでほしい。
少々本気でボールを投げていたので、次第に疲れてきた。ベンチに座って休んでいると、聞き覚えのある歌が聞こえてきた。
——— これは阪神タイガースの応援歌?!
そう思って歌が聞こえた方向に目線を向けると、阪神タイガース/大山選手のレプリカユニフォームを着た少年がいたのだ。
しかも今年発表されたばかりのビジター用のレプリカユニフォームじゃねーか。コテコテの阪神だな。
関東に住んでると甲子園球場で応援できないからビジター用なのか…。親の教育が行き届いてるな。恐らく阪神タイガースの公式オンラインショップで買ったんだろう。(下記画像、URL参照)
ユニフォームを着て、応援歌を歌いながらやっていたのはドッヂボールだった。
え??野球しないの??おにいさんと一緒に野球する????(不審者)
不審者になるわけには行かないのでベンチに座りながら見ていた。すると彼らなりに盛り上がってきたのだろう。何やら口にくわえて膨らまし始めたのだ。
ジェット風船だった。
※画像:阪神タイガース公式オンラインショップ参照
膨らましては飛ばしてを何度も繰り返してた。甲子園球場ほど盛り上がることはなかったのだが、ジェット風船特有の”ピュ~~~~~”という音がこだましていた。
恐らくあれはCOVID-19の影響で、ジェット風船を使用した応援が不可能になった少年のメッセージなのかもしれない。。。
「今は選手に会いに球場に行けないが、僕は公園から応援しているよ」
というエールなのかもな。。。
そんな素朴な少年を見た後、帰宅した。
数時間後に肩の張りが出始めて、翌日には筋肉痛になりましたとさ。