私が本の活動を始めたわけ
皆さんこんにちは。北の温泉地♨️登別市で地域を盛り上げていこうをテーマに活動しているlocalize networkメンバーのmusyaです。
いきなりですが
facebookではなくbookfaceしませんか?
と言うことを話すと大抵の方は「ん?」と不思議な顔をされます。
では
本という心のLINEで街の人と繋がりませんか?
と言うと、皆さん「はい??」とさらに不思議な顔をされます。
それもそのはず、私自身がそれ以上どう説明して良いのか分からないからです。
・私が思う暮らしたい未来のまちとは
公共図書館、図書館分館、書店、古本屋、絵本の読み聞かせ、学校図書館、移動図書館、そしてまちライブラリーなどこの町で息づく本に関する様々な活動を通じて、そこで本をきっかけにした出会いの場が生まれ、ゆるやかな心の結びつきが育まれるまちです。
暮らしたい未来のまちを考える時、何が大切なのか。それは、一人で考えないということではないでしょうか。
地域の課題、社会的な問題、まちの中で溢れている様々なテーマに対して、何かこの流れを変える事はできないだろうか、自分でも何か出来ることがあるのではないだろうか。
でも、どのようにして始めたら良いのか分からず何も出来ずにいる。そのような方達も少なくないと思います。
便利なはずのシステムを使い、世界の仕組みが少しずつ分かってきた気がして、でもちょっと経てばまた普通の人に戻って、一度抱いたはずの疑問や違和感も気がついたら忘れていく。
日常。
またちっぽけな一人。
そんなごくごく普通な私がたどり着いたのがまちライブラリーという本の活動でした。
・まちライブラリーとは
まちライブラリーとは、本を通して人と出会うまちの図書館です。感想を書いたメッセージカードをそえて本を持ち寄り、次に読んだ人も同じようにして感想を書いていきます。そうして、一つの本を通してまちの中で知らない人同士が繋がっていき、新たな出会いやコミュニティを生み出す活動です。
詳しくはこちら。
地域で何かやってみたいをカタチにしようとするなら、人との繋がりがないと何もできない。まちを知らないと何もできない。人を知らないと何もできない。当たり前のことです。ですが、以前の私はそのことを何もわかっていませんでした。
では、その当たり前のことをもっと簡単に知ったり、シンプルに伝えられる方法があるとしたらどうでしょうか。
例えばの話です。
小さな子供が砂場で遊んでいます。とても、楽しそうにキャッキャッと遊んでいます。やがて、それを見た他の子供たちも混ざって一緒に楽しんで遊び、砂だらけになりながらみんなでケラケラ笑い合っている。
そこには利害関係や変な常識もありません。
まちづくりってそんな感じがいいんじゃないかと思います。
何か楽しそうだから参加したい。何かみんな笑っているから一緒にやってみたい。
私にとってその何かが「本」であって、砂場が「まちライブラリー」でした。
・「まずは」をつくりたい
お金で全てがコントロールされるシステムから離れて、一冊の本の前では誰もがフラットであるという関係性の中でお互いを知り、まちを知ってゆるやかな心の結びつきを育んでいく。
いつの頃からか忘れ去られようとしている大切なものを見落とさないように、遠い記憶の片隅にあるはずの砂場のような心の居場所をもう一度作れたとしたらどうでしょう。そのような場がまちの中でどんどん増えていったとしたらどうでしょう。みんなの顔が見える小さなコミュニティを大事にしていきたいと思うようになりました。
地域の中で解決しなければならない課題があった時に、いきなり問題解決をテーマに掲げるのではなく、まずは何かに心寄せ合いその上で解決に向かっていくことが大事なのではないでしょうか。
そのような意味でも、まちづくりはというのは「まずは」づくりなのかもしれません。
ある程度のゆるやかな関係性を持つことで、決定的な答えは出せなくとも、向かう方向性は見出せるのではないでしょうか。
人を分解して考えてみたらどうでしょう。
ひょっとしたら、まちの市長さんがものすごく鬼滅の刃にはまっているかもしれません。
地域で有名な強面の社長さんが実は恋愛小説マニアだったり、すぐ近所に東野圭吾を完全読破しているおじいちゃんやおばあちゃんがいるかもしれません。
なんかワクワクしませんか。
その人の意外な一面を知ったり、もしくはその方の知識の一片をまちの未来のために贈り物として本を一冊持ち寄るのはいかがですか。と言いたいだけなんです。
それが、私がbookfaceをやってみたい理由です。
・気づかせてくれた一冊の絵本
ここまで本について語っていますが、実は40歳になるまではそんなに本を読んでいませんでした。
ですが、まちライブラリーに出会って考えが変わりました。本は読んで終わりではなく、まちの中で人と人がつながるパスポートになるという本の可能性を知り、そこから本が大好きになりました。
なので、まだまだ本をちゃんと読み始めて2〜3年の本のど素人のおっちゃんです。
だからこそ本の事を何も分かっていないので、開き直って好き勝手に夢を語っているわけです。
そんな私は大人でもわかりやすい絵本を好んで読んでいます。
ある一冊の絵本です。
その絵本にはこう描かれていました。
ホントウの豊かさとは何か。
ホントウの幸せとは何か。
その事を深く考えさせられました。
確かに世の中は便利で豊かになりました。
本で人と人がつながり、本と共に様々な居場所を作り育てていく活動は不便なことも多いです。
ですが、そんなアナログの不便さや、道草を楽しめる心のゆとりみたいなものが今の世の中には必要なのではないでしょうか。
世界中と高速で簡単につながるシステムや、片手に収まる光る画面を捨てて、もっと本を読みましょう。と声を大にして伝えたいわけではなく、それらのデジタルの恩恵との程よい距離感があるのではないかと思うようになりました。
・「まずは」のカタチは色々あっていい
最後になりますが、私が行っている本の活動は「まずは」の一つであって、ほんの一例です。
ですから、世の中には色々な「まずは」のカタチがあると思います。
ひょっとしたら「まずは」とは、このまちでまちと共に生きていきますよ。という決意表明みたいなものなのかもしれません。
例えば、このnoteもその一つではないでしょうか。様々な種類や色の「まずは」を拝見させていただいています。
皆さんがnoteに心を寄せ合っているからこそ、響く人には響きますし、届く人には届くのではないでしょうか。
この先、様々な「まずは」にお目にかかれることを期待しています。
というわけで
私が描く暮らしたい未来のまちは
色々なカタチの「まずは」がまちの中でイキイキと育ち、そのような心の結びつきを次の世代につないでいけることの出来るまちです。
という、フワフワとしていて、なんともつかみどころのない結論になりました。
私はこの本の活動で地域を変えるような大それたことを望んでいるわけではありません。
ですが、ひょっとしたら何かのきっかけになるかもしれない「まずは」をしたいだけなんです。
では、そろそろ本当に最後なので一言よろしいでしょうか。
皆さん、まずは
facebookもいいですけどbookfaceしませんか。