ガクチカPR大作戦

はじめまして、イツキと申します。
普段は日系大手メーカーでブランドマーケティングに携わる傍ら、
入社以来リクルーターとして新卒採用に関わっています。
就活生時代はキリン、パナソニック、日立、NTTドコモ、NTT西日本、三井住友銀行、三井住友カード、パーソルキャリア(転職のDoda)等々 多様な業界の大手企業の内定を獲得していました。

今回はES・面接で必ず聞かれる「学生時代に力を入れたこと」=通称「ガクチカ」についてお話します。
  ※就活三大質問といえば「ガクチカ」「自己PR」「志望動機」ですが、
   自己PRと志望動機については別記事で解説します。

まずもって、ご注意いただきたい点が一点あります!

【このnoteが想定している読者層の方々】
・総合商社、メーカー、IT、通信、金融などの日系企業のうち、
 倍率数100倍の大手企業に内定するためのガクチカに興味がある学生の方々
・その親御さん、先生等アドバイスされる立場の方々
・特に、早慶・MARCH・関関同立に準ずる私大の方々

では、早速始めてまいります!

目次
1.自己紹介
2.アピールできていない、落ちるガクチカ
2-1.なぜ落ちるのか?巷に溢れるダメガクチカ
2-2.<実体験>過去の私のガクチカ・自己PR
3.劇的ビフォーアフター!受かるガクチカ
4.最後に


1.自己紹介

改めまして、イツキです。
普段は大手メーカーでブランドマーケティングの仕事を行う傍ら、
リクルートさん、ワンキャリアさんの就活生向け講演会に登壇させていただいたり、
「息子・娘を持つご家族への就活講座」略して”むす就”と称した親御様向けの講演会を行っています。

冒頭にも記載しましたが、就活生時代は各業界のトップ企業の内定を次々と獲得していました。
しかしながら、就活の動き出しが早かったわけでも、飛びぬけて高学歴なわけでもありません。

早い人は大学2年生ごろからインターンに応募する中、
私はゼミの活動が忙しく、実際に就活を始めたのは大学3年生の2月、
つまり就活解禁(※当時は大学3年生3月解禁 卒業まで残り13ヶ月)の直前に初めてセミナーに参加しました。
もちろんインターンにも1社も行っていません。
 ※振り返って思うのは、インターンは行ってた方がベターです!笑
また、大学は関関同立なので飛びぬけた高学歴でもありません。

そんな私が業界トップ企業に次々と内定できたのは何故なのか?

それはひとえに、「ガクチカの魅せ方に気づいた」からです。


2.アピールできていない、落ちる自己PR

2-1.なぜ落ちるのか?巷に溢れるダメガクチカ

まずは色んな就活サイトに載っている、諸先輩方のガクチカをご覧ください。

”私が学生時代に最も頑張ったことは、 バレーボール部でキャプテンとして活動したことです。
特に練習メニューの改善に力を入れてきました。
私がキャプテンに就任したころ、練習試合をしてもほとんど勝つことはない弱小チームでした。
従来の練習メニューでは各々の長所を伸ばすことができていなかったため、チームみんなでメニューの改善に取り組みました。
結果、その半年後の公式大会で一試合ずつ勝ち上がり、なんと県大会で準優勝することができたのです。
私はこの経験から基礎が一番大事だということを再確認すると同時に、各々の長所を伸ばすことの大切さを実感しました。”(人事志望)

こちらのガクチカの何が落ちるポイントかというと、
ご自身がどう行動したのかの詳細が抜け落ちており、
結果として「県大会準優勝」「その時のキャプテン」というすごい肩書のみのアピールになってしまっている点です。練習メニューを改善したこともご自身の行動・考えについての記載がなく、チームの成果となってしまっています。

企業側はガクチカで、就活生が学生生活のエピソードを通して経験した
下記の点を見ています。
・就活生自身がどんな行動を起こしたのか?なぜそう行動したのか?
・現状をどう分析し、どのように課題にアプローチしたのか?
・その結果どんな実績を上げることができたのか?

これらを判断軸として、企業はあなたの実績の「再現性の高さ」を求めています。
面接官は「入社後に困難な状況にぶつかったとき、この人は学生時代に壁を乗り越えた時と同じようなアプローチで課題を解決してくれるだろう」
という判断が下せたときに、合格の印を押すのです。

このガクチカを読んでも、応募者がどのような活動を行ったのかがほとんど見えてきません。
練習メニューの改善をするにあたり、おそらくチームの分析をしたり
チームメイト・監督にヒアリングしたり他校と比較して自チームの強みを見つけ出したりしたのでしょう。
しかし、その部分のアピールが全くできていません。
企業側はそこが見たいのにも関わらずです!!!

学生時代に行った活動がすごければすごいほど、
上記のような「結果」のアピールに終始してしまっているESが多く見られます。
すごい実績を上げるためには並々ならぬ努力が必要かと思います。
その努力をうまくアピールできていない、大変もったいない例かと思います。

もう一本いってみましょう。
こちらは昨年私の講演会に来ていただいた就活生の実際のガクチカです。
しゃぶしゃぶのご馳走と引き換えにこちらのES掲載許可をもらっています!
つらい!

”私が学生時代に最も頑張ったことは、7ヶ月にわたるセレッソ大阪(サッカーJリーグの強豪チーム)でのインターンシップである。
インターン生のリーダーとして仲間をまとめ、期間限定店舗を運営した。
スタジアムに来るお客様に声掛けをし、期間限定店舗のデザイン・レイアウトをチームで考え、どうすればお客様が寄ってくださるのか試行錯誤を続けた。
最初の2ヶ月は全く売り上げにならず、苦しい時期を過ごしたが、
店舗のレイアウトをサッカーのフィールドに見立てて配置しなおすことで、
お客様の興味をそそり立ち寄っていただく顧客数を増やすことができた。
結果、1000万円をこえる売上を達成し、史上最高の売上を記録。
お客様の立場に立って考えることの重要性を学んだ。”(営業志望)

こちらも同様ですね。
・セレッソ大阪のインターン(この時点ですごい)
・インターン生のリーダー
・過去最高となる1000万円の売上を記録
上記のように、肩書においては素晴らしいご経験をお持ちです。
一見有名企業の内定を次々と取ってきそうです。
しかし、実際にこのガクチカで面接に臨んだときには、
ほとんどの企業で一次面接落ちだったそうです。
読者の方々が面接官だったとして、
この方が入社後課題にぶつかったとき、どのようなアプローチで課題を乗り越えそうか具体的にイメージできますか?
お客様に声掛けをし、店舗のレイアウトを変えたのはこの方のみの力ではなく
チームとしての結果の一部に過ぎません。

講師をしていて学生と接する際、「本当に学生ですか??」というような
素晴らしいご経験をお持ちの方は数多くいらっしゃいます。
しかし、みなさん経歴のキラキラ感に囚われすぎて、本当にアピールしなくてはならないことが話せていないのです。

こちらのESは、後ほど添削したバージョンを載せます。
どのように変わったかご確認ください。

2-2.<実体験>過去の私のガクチカ・自己PR

ダメガクチカの実例として、最後に私が過去に書いていたガクチカ失敗例を掲載します。
ものの見事に上述の失敗要因に陥ってしまっています。

”学生時代に最も力を注いだことは、関西初エシカルファッションショーの開催である。
ゼミでソーシャルビジネスを研究しており、その中で企業の倫理活動を指す「エシカル」という考え方に出会った。
発展途上国での低賃金労働者や地球環境を守るエシカルという考え方を普及させるため、多くの人々に浸透しやすい大規模なファッションショーを企画・開催した。
ファッションショーを開催するにあたって、エシカルな服を販売しているLeeやパタゴニア等の企業数十社にアポイントを取り、企画書を持ち込んで参加をお願いした。最初は断られることも多かったが、粘り強く交渉し多数の有名アパレルブランド招聘に成功。
ショーの構成やモデルの歩き方なども反響があるよう工夫し、
アクセスの良い開催場所の確保にはじまり開催資金200万円の調達までコアメンバーの6人で行い、ショーを1から企画・実行した。
ショー前後にアンケートを実施し、結果的に来場者の内80%以上の人の「エシカル理解度」が向上したと回答を得ることができた。
関西発のエシカルショーということもありテレビやラジオ、主要4大新聞に出演させていただき、エシカルの普及を一歩前進させることができたと感じている。”(マーケティング志望:自分)

さて、いかがだったでしょうか。
2-1でお話した罠に、過去の自身がまんまとはまってしまっています。
ファッションショーを企画し、有名ブランドへの企画書持ち込み、場所確保、資金調達、運営とやってきた経験は他の就活生にも負けないものだと自負していますが、
果たして「私は」その中でどんな課題を見つけて、どう分析し、どんな行動を起こしてショーに貢献したのでしょうか??
そこが一切見えないガクチカになってしまっています。
みなさんのガクチカにも照らし合わせて、「私」がどう行動したかわかるかを確認してみてください。

このガクチカ、なかなかにウケが悪かったです。

ではこれをどう改善したのか?次項で解説します。

3.劇的ビフォーアフター!受かるガクチカ

まずは改善結果をご覧ください!

・就活生自身がどんな行動を起こしたのか?なぜそう行動したのか?
・現状をどう分析し、どのように課題にアプローチしたのか?
・その結果どんな実績を上げることができたのか?
上述の3ポイントを意識して改変したガクチカがこちらです。

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