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『すずめの戸締まり』 東京の後ろ戸はココだった!?
大ヒット中の新海誠監督『すずめの戸締まり』、前回すずめが一連の旅をすることになった場所の意味について考察してみました。その後、もう一度映画を観た後に東京に行く機会があったので、東京の後ろ戸がどこだったのか改めて見ていきたいと思います。
今回もネタバレを含むので、映画をご覧になってから読まれることをおすすめします。
御茶ノ水にある草太のアパートで、後ろ戸の情報がないか古文書を調べていると友人の芹澤が現れ、その時の地震警報ですずめは外に飛び出し、近くに見えたミミズに向かって駆け出します。
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走っていく途中にダイジンが現れ、草太は取り押さえようとして道に飛び出していきますね。この時、二人は御茶ノ水駅に向かって、神田川沿いにある外堀通りを走っているというのが、背景に見えている順天堂大学病院と思われる建物から分かります。
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車を踏み台にして飛び上がった草太が着地したのが聖橋、眼下に見える丸ノ内線の大手町側のトンネルからミミズが出てきていました。そして東の要石が抜けてミミズの本体が空に向かって上がっていきます。
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それに飛びつく草太とすずめ。大きな渦状の山のようになったミミズの頂上に向かって二人は歩いていきます。頂上辺りで出会ったダイジンから、草太は要石になっていることを告げられ、首都直下型地震によってたくさんの人が死ぬのを防ぐため、すずめは泣く泣く草太をミミズに突き刺します。
これによってミミズは弾け飛び地震は防がれ、すずめは東京の街に向かって落下していきます。大きな毛布のようになったダイジンに包まれて水面に落ちるすずめ。
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この辺りの景色が竹橋付近の皇居の堀(平川濠もしくは大手濠の北の端)のように見えるというのは前回考察しました。左手の方に四角の上に円筒形がのった建物が映っていたんですが、もしかしたらこれは毎日新聞社のビルなのではないかと思います。
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水の中に落ちたのに、すずめは黒っぽい石壁に囲まれた空間に倒れていましたね。スマホで場所を確認しようとして電池が切れてしまいますが、一瞬映った地図の地形が角ばっていたことからも、ミミズに飛びついた御茶ノ水を流れる神田川ではない(神田川は地面よりもかなり低い場所を流れている)と思われます。
この時に、ちらっと、牛ヶ淵という文字が浮かんでいた感じもあるので、もしかしたら落ちたのは竹橋の近くではなく清水濠あたりだった可能性もありますが、落ちる瞬間の背景には高速道路らしきものは映り込んでいなかったので、もう少し検証が必要かもしれません。
そこから歩いて東京の後ろ戸を発見しますが、他の場所と比べて非常に大きく、お城の門のような形でしたね。実際に歩いてみると皇居の北側にある乾門に形状がよく似ているのが分かります。
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そして、その扉を閉じた後、歩き回っていると高速道路のトンネルに出ます。トンネルから出て階段を上がり、水辺の横を通っている高速道路を見下ろします。この時に、三宅坂まで700mと書かれた高速道路の緑の看板が映ります。
その景色から、この場所は首都高速都心環状線が皇居の内堀に沿って走っていてそこから地下のトンネルに入っていく千鳥ヶ淵派出所の裏当たりの位置だということが分かります。実際に同じ看板をこの場所で見つけました。
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ということは、すずめは竹橋近くの堀に落ち、東京の後ろ戸を閉じて千鳥ヶ淵に出てきたことになるので、後ろ戸は皇居の北門(後ろの扉)である乾門の地下辺りにあった可能性が高いのではないかと思います。
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しかも、それは巨大でかなり古いものだったので、この場所が皇居になるよりも前、江戸城だった頃もしくはそれよりも古い時代からあったのではないでしょうか。
逆に考えれば、この場所に後ろ戸があったから、江戸城をここに建設することになったのかも?と思ったりもします。『君の名は』の時にも解説していますが、いずれにしても、皇居の建っている場所というのは東京の要であることに変わりはないのではないでしょうか。
✹追記:後から原作小説を確認したら、こちらには明確に『皇居』との記載がありました。
最後までお読みいただきありがとうございます!!
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