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教育の再生産の本当の意味

ご覧いただきありがとうございます。皆さんは、「教育の再生産」ってご存じでしょうか。聞いたことある人は、きっと教育系の勉強をしたことがある人ですね。今回は一般的に言われている教育の再生産とはちょっと違う、そんなお話になります。

一般的な教育の再生産

学校で勉強をする時は、どのような方法が用いられているでしょうか。通常の教科の場合、先生が前に立って教科書の内容を説明したり、板書するなどする教授法という方法が取られることが多いですね。

教科書で教える内容というのは、時々改定がなされるものの、基本的には何十年も変わっていません。戦前と戦後で大きく変えられた部分はありますが。教育の現場において、先生達はどのようにして教えているでしょうか。

狭い意味での教育の再生産とは、教師は教わったようにしか教えられないということを指しています。つまり、自分が教わったのと同じように子どもたちを教育してしまうということです。

これによって、社会階層も再生産されると言われています。つまり、家庭が裕福で高いお金を出してエリート教育を受けた人はエリートとなってより裕福になっていくが、質の低い教育を受けた貧困層の子どもは貧困層になっていくといったものです。

ということは、スラム街の学校出身の人が先生となった場合と、エリートの人達ばかりが通う私立校で学んだ人が先生になった場合では、そもそもの教え方が異なるということですね。

日本においては公立の教育が比較的充実しているためこの格差は大きくなりにくいですが、欧米においては上流階級はボーディングスクールから一流の私立大学に行くといった流れがあり、この傾向はより顕著だったりします。

再生産される信じ込み

物理的な指標で見る場合は、職業や権威、収入や資産の量などで階層が再生産されていることを読み取ることが出来るかも知れません。しかし、ここでいう教育の再生産というのは、そういうものとは異なります。

教育は、学校の前に既に家庭での生活から始まっています。その最たるものがです。礼儀作法に始まり、近所の人との接し方から振舞い方、その時代や地域、家庭に特有の観念まで、様々なものが幼少期に躾の形で子どもに押し付けられます。

これらは、「そうなっているもの」、「そうするべきもの」ということで有無を言わさず教え込まれ、従わないと場合によっては体罰という形で無理やり従わせるということが慣例的に行われてきました。

教育

そうやって幼少期に押し付けられたものが傷となり、信じ込みという形で蓄積されていき、それが集合意識に反映されることで、社会通念といったものや法律、規則、罰則といった制度として社会に型を与えていきます。

そうやって社会というものは出来上がっているんだ!と大人は言います。しかし待ってください。その社会というのは痛みが元になって出来上がっていませんか。

つまり、ペナルティを課されるという怖れに基づいて人の行動が決定されるようになってしまっているということです。生まれてきたばかりの赤ちゃんは純粋で、そういった痛みは一切ありませんが、親から躾という形で痛みを押し付けられることにより、この世界を痛みを元に見るようになってしまうのです。

これが親から子へ代々受け継がれてきたものが、本当の意味での教育の再生産です。そして、学校や社会を通してその信じ込みを強化するというプロセスを繰り返しているのが現代社会ということになります。

痛みはなくても生きられる

現代を生きる殆ど全ての人は、何らかの痛みを抱えて生きています。場合によっては、エリートと呼ばれる人の方がより多くの痛みを持っていることもあります。

多くの人はその痛みを自分自身と同化させてしまっているので、それが痛みであることにすら気づいていないのです。そして、人生の中で上手くいかない出来事を自ら繰り返し創り出しては、苦しい苦しいと言い続けているのです。

セッションではこの痛みを観ていくことをしますが、これが医療行為ではなく教育的手法であるのは、その人に張り付いた余計な信じ込みが剝がされることによって、その人の人生そのものが大きく変わっていくからです。

更に重要なのは、その人の人生が変わるだけでなく、痛みを子どもに押し付ける流れが止まることによって、結果的に教育の再生産という負のスパイラルを無くしていくことにも繋がるのです。

痛みに基づかない創造をする人ばかりの社会になったら、刑務所は必要でしょうか。面白いことに、学校という場所は監獄と軍隊をモデルに造られています。恐怖による支配というものが最初から組み込まれていることがよく分かりますね。

子どもにより良い世界を残すには、物理的な豊かさよりもずっと重要な要素があるんです。それは、自分の痛みを自分の代で終わらせ、子どもにそれを引き継がせないこと。

それが、どんな教育よりも「子どものために」親がしてあげられる最大のギフトになります。

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