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新型コロナウィルスの影響で、収益不動産の価格は下がるのか?

こんにちは!

結家不動産コンサルティング株式会社の木山澤です。

最近よく聞かれるこのテーマ。
しばらくして、不動産価格が下がった時が買い時と感じている投資家様も多いようです。
今日は、普段不動産業者や投資家様と触れ合っている私の見解を書いてみたいと思います。

まず結論から先に言うと、
「今後徐々に価格は下がっていく。ただし、値下がりの率に関しては物件種別によって異なる」
というのが私の見解です。

最も値下がりの影響があるのはホテル、民泊物件、シェアハウス。
次に影響が大きいのが店舗物件(特に飲食店や人と人との接触がある業種)。
次に影響があるのが大規模オフィス物件。
最も影響が少ないのは住居用物件。
ただし、想定賃料がおおよそ25万円以上のような高額物件に関しては値下がりの影響があるでしょう。

緊急事態宣言解除後、生活防疫(感染症の発生・流行を予防すること)、つまり自ら防疫の責任を負っていく新しい日常が始まるでしょう。
コロナという感染症と共に生きていくという、ウィズコロナという考え方です。
そうなった場合のことも考えながら見ていきましょう。

ちなみにこれは東京都でのお話です。
他の地域では異なる事象や状況も考えられうることもご承知おきください。


<ホテル・民泊物件・シェアハウスが最も値下がりの影響がある理由>
現在、外国人観光客はほぼ皆無。ホテルや民泊物件は最も破壊的な影響を受けています。
民泊物件に至っては、1か月の稼働率が0%というケースも多々あります。
これらの物件はテレワーク用に貸し出す他に手立てが無く、1部屋1日あたり2,000円~3,000円しか売上が見込めない場合も多々あります。
そうなりますとホテルを運営している会社は、建物を賃借している場合は今まで通りの賃料や、運営委託費をホテルオーナーに支払うことができません。
世界的にコロナウイルスが終息に向かわない限り、ホテル運営会社の売上は、コロナ流行前のレベルには戻らないでしょう。
そうなってきますと、もはや従前の賃料を支払い続けるのは困難なので、賃料減額がされることもあるでしょう。また、ホテル運営会社が退去して、新しいテナントを見つけようと思っても、従前の賃料はなかなか取れないと考えたほうがよさそうです。
売上が仮にコロナ流行前と比較して20%減が続くのであれば、賃料も20%減らさなければ事業が継続できない場合もあるでしょう。
物件によりますが、単純に賃料が20%下がれば、売買価格も20%下がる可能性は高くなります。
民泊物件はコロナ終息までは、よっぽど運営や活用方法に自信がある買主以外は、相場通りの物件では買わないでしょう。ウィズコロナ時代に入ったとしても、民泊物件が高稼働に戻るのはいったいいつになるかわかりません。
シェアハウス物件も、手を出す人は少ないでしょう。いわゆる3密(密閉・密集・密接)の空間です。シェアハウスに引っ越したいという人も今後コロナ流行前より減少するのは明らかですし、仮にシェアハウス内でコロナ感染が確認された場合は運営を解消せざるを得ない可能性すらあり得ます。
今、これらの物件を売却しようと思ったら、コロナ流行前の市場では考えられない価格で売却しなければならないでしょう。

<店舗物件の値下がりが大きい理由>
コロナの影響で飲食店や、人と人との接触がある業種の店舗が深刻なダメージを受けているのは皆さんも周知の事実だと思います。緊急事態宣言が解除されて、飲食店が通常営業を再開した後のことを考えてみましょう。
そうなった場合、飲食店の売上は元に戻るでしょうか。
否、しばらくは戻らないと思います。
外食や3密店舗にコロナ前ほど出かけない人も一定割合いるでしょう。
そして社会的距離の確保の観点から、店内の席数は減少する店舗も多いでしょう。
そうなりますと店舗の売上は減ります。売上が減るということはやはり、コロナ流行前の賃料を支払うことは難しくなるお店も多くなると思います。
現に当社の管理物件でも退去したり、賃料減額交渉があったり、退去寸前の店舗テナントが多く発生しています。
テナントが退去して再募集をかけたところで、コロナ流行前の賃料で決まる可能性は低くなります。
やはりこれも物件によりますが、単純に賃料が20%下がれば、売買価格も20%下がる可能性は高くなります。
<大規模オフィス物件が値下がりの影響がある理由>
コロナを機に、急速にテレワークが一般化しましたね。実際やってみると、意外に生産性が落ちないとか、仕事にそんなに支障がないとかいう体験をしている人たちや企業は多いのではないでしょうか。
ウィズコロナ時代の働き方は、当たり前のようにしていた時間通りの出勤、会社への通勤、今まで通りの会社のオフィス規模の必要性が見直されるでしょう。生活防疫の面でも、テレワークを認めるなど多様な働き方を認める会社は多くなってくると思います。
そうなった場合、今まで通りのオフィス規模は必要になってくるでしょうか。なってきませんよね。現に私の知り合いの経営者でも縮小移転・事務所一部解約をしている企業は多々あり、縮小移転はあれど、拡大移転は少なくなっていくと思います。需要が弱くなるということは賃料も価格も下がるということにつながります。大規模オフィス、面積100坪以上の物件は、価格が下がっていく可能性が高いと思います。

<住居用物件は最も影響が少ない理由>
住居用物件の場合、賃借人が会社員という物件は多いでしょう。賃借人が会社員であれば、会社が給料を保証してくれたり、国からの休業補償などもありますので、生活が担保される可能性は高く、賃料の支払いにも特に問題はない人が多いと思います。
しかし、居住用物件の中でも、想定賃料がおおよそ25万円以上のような高額物件に関しては値下がりの影響はあるでしょう。高額賃貸や億ションなどの高額物件に住んでいる人は、個人事業主や経営者の割合が高まります。そういった方の場合、今回のコロナショックにより本業の業績が傾いたりして、賃料がもっと安いところに引っ越していく人が一定数存在するということが考えられます。実際に私が住んでいるマンションでも、近隣住戸の退去が目立っています。オフィスと同じように、賃料削減の意図での引越しはあれど、賃料増額のお引越しは少なくなっていくと思います。
当然、需要が少なくなれば賃料や物件価格は下がっていくというわけです。

<今は買い時なのか?>
添付のグラフをご覧ください。公示価格の推移です。
東京都の数値を見てみますと、現在の価格は平成20年前後のプチバブル期を超えています。
この上昇の理由は、銀行の不動産投資に対する積極融資の姿勢や、アベノミクス、オリンピック開催決定による外国人投資家の資金の流入等が主な理由です。
しかしながら、昨今の一部の不動産会社、銀行による不祥事を発端として、すでに足元では銀行の融資基準はどんどん厳しくなり、収益物件を買える属性の人の絶対数が少なくなっています。また、人口減少が進むこの日本で、オリンピックが終わった段階で物件の上昇理由は他になくなります。
また、過去、昭和63年前後のバブル期、平成20年前後のプチバブル期、そして今回のプチバブル期のグラフの上昇率、下落率を見てみると、おおまかに「上がった角度分だけ下がっている」という傾向が見て取れます。今回のプチバブル期も、上がった角度だけ徐々に下がっていく可能性はあると思います。(ただしこれはあくまで傾向の話なので、参考程度になさってください。)
その他、国土交通省が公表している「不動産価格指数」や、不動産投資と収益物件の情報サイト健美家(けんびや)等で公表されている「収益物件 市場動向 年間レポート」データを見ても、過去と比較して高値圏であることが見て取れます。
以上の理由から、物件価格が上がっていく理由は無くとも、下がっていく材料は多いのが現実です。そのため、マクロ的な視点で見ると買い時ではありません。
ただし、2つの観点から、人と物件次第によっては買い時とも言えます。

1つ目の観点は、投げ売り物件は購入する価値があるということです。現在はコロナショックにより、資金に困った一部の物件オーナーが物件の投げ売りをしている状況が見て取れます。相場より安い物件であれば、購入に値する物件は存在すると思いますので、積極的に狙っていってもいいでしょう。実際に、リーマンショック直後に不動産会社の投げ売り物件を購入して、相当な利益を得ている投資家が多いのは周知の事実だと思います。


2つ目の観点は、年々厳しくなっていく銀行のローンを今のうちに使っておくということです。例えばオリックス銀行の例で行きますと、数年前は500万円以上の年収があれば、一棟アパート購入の審査の土台に乗っていましたが、本記事執筆時点では、年収700万円以上は欲しいと言われています。また、自己資金の面でも、多くの銀行が頭金を10~20%求められる場合が多く、0%で行ける場合は極めて少なくなっています。
例えば、5,000万円のアパートを購入するとしても、頭金20%必要な場合は1,000万円、さらに仲介手数料などの購入時諸経費で物件価格の8%ほどかかるとしたら、全部で1,400万円ほど自己資金が必要です。
フルローンであれば必要な自己資金も400万円ほどで済むので、自己資金が豊富に無い方は、今が一棟アパートを買えるギリギリのチャンスです。もしオリックス銀行がフルローンを出さなくなってしまった場合、そもそも一棟アパートを変えるチャンスが無くなってしまうため、自己資金が少なめでできる最後のチャンスとも捉えることができます。
一棟アパートは、相場通りの物件を購入すれば一般的に区分マンションに比べてリターンがだいぶ大きいので、いつ一棟アパートに挑戦できなくなるかわからない情勢である以上、もし私がサラリーマンであったら、今のうちにアパート購入するのは間違いないです。
以上、コロナショックによる収益物件への影響を見てきました。
不動産取引は相対取引である以上、買ってお得な物件は必ず存在します。そしてこういった時期を経験していることは間違いなく将来の財産になります。
大変な時期ではありますが、投資家は投資家らしく、したたかに相場を注視していきましょう!

結家不動産コンサルティング株式会社ってどんな会社?↓

https://musubiya0401.jp/buy/inv.html

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