自分の在り方
これはアイデンティティに関わることかもしれないので混乱している。あとでここに書いたことを後悔するかもしれない。しかし、赤裸々が信条なので書いてしまおう。
わたしはしがないWeb小説投稿サイトの住人だ。去年の今頃までは自分の所属するサイトから出ることを考えたこともなかった。小説は趣味であり、楽しみとして書いていたからだ。が、ひょんなことから書いた小説が読者から支持されて、正直なところ、すごく驚いてしまった。でもその小説は結局、コンテストの最終選考で落ちて、今に至る。
今はそのコンテストに作品を応募しているところ。読者選考のために期間が設けられていて、そのサイトに連載している。もしかするとこのnoteからのリンクで読んでくださった方もいらっしゃるかもしれない。
わたしは昨年のコンテストの結果から、それで満足しないでワンステップ先を目指してもいいのではないかと思った。もしかしたらもっといい物が書けて、コンテストに引っかかるかもしれないなんて自惚れもいいところだ。
それで書いているうちに段々、自分の原点を思い出してそこに自分も加わりたいと思うようになってきた。詳しく書くと新潮文庫。今までどれくらいの新潮文庫を読んだのか、数えきれない。――さすがにこれは大望だということは自分でもわかっていた。
同じサイトで活躍している人たちはラノベを書こうとがんばっている。でもわたしは相手にされなくても、どうせ一度きりの人生なんだから思う存分やってみたいと思った。それは本当に大きな決断が必要だったし、手に余る野望だ。
だって、新潮文庫の棚に自分の本が並ぶようになったら素敵じゃない? 自分の人生を意味あるものにするチャンスだ。そう思いませんか?
人生は短い。だからみんな生き急ぐ。自分の価値を見出したい。それは今日の長寿社会でもみんなが抱いている漠然とした不安だ。寿命が伸びたからこそ、人生により可能性を求めるようになったのかもしれない。そしてわたしも同じだ。
どうせなら貪欲に求めていきたいという道を選んだわたしは、憧れの新潮社の文芸講座に通うことになった。それだけでどれくらいうれしかったことか! 新潮社が物理的に自分の人生との関わりを持つ。夢のような話だ。そんな世界があることをわたしは知らなかった。
ところがその講座で、わたしの小説は一般文芸と真逆の方向にあるという講評をいただいた。先生はものすごく信頼のおける方で、先生を疑おうという気持ちはこれっぽっちもなかったわたしは衝撃を受けるばかりだ。
相談しようにもプライベートな理由で講座を変えてしまったので先生にお会いできない。
確かにわたしの物書きとしての起点はラノベにある。ラノベの手法に則って勉強をしてきた。たぶん、他の人より多少熱心に勉強してきたと思う。それが逆に裏目に出てしまった。
どうしたものだろう? わたしはラノベ界でははみ出ていて、一般文芸に入るには逆方向だという。どこに行けばいいのか? 何を目標にしたらいいのか、わからなくなった。
今度の先生は個別相談に乗ってくれるような感じではなかった。講座を取り間違えたんじゃないかという思いはあったのだけど、他に選択肢がなかった。もう講座を取るのはやめた方がいいのか、それとも一般文芸に食らいついた方がいいのか、本当に悩んでいる。分岐点、というやつだろう。
と、赤裸々なノンフィクションであるのだけど、わたしは楽天的にできている。たぶん、数日後には前向きに問題に取り組めるのではないかと思う。気持ちが落ち着いて冷静になるまで答えは保留したいと思う。
新潮社にお断りされたという痛手は残るけれど、同じ土俵に上げてはもらえたというのは人生の思い出のひとつにはなるだろう。そう、良くも悪くも作品を見てもらって講評をもらったのだ。ここラインマーカーで。一介の主婦(しかもオバサン)が新潮社の編集さんに書き物を見てもらい、A4、2枚に渡る講評をいただいた。
できることなら、自分の中の一般文芸への熱を思い出して、一般文芸の書き方を学びたいと思う。切実な思いだ。やっぱり狙うなら新潮社しかないよね?(笑) 好きなことをやるために、通っている講座だ。しかも有料講習だ。学べるものを学んで、咀嚼して、自分の望むものに一歩でも近づきたい。
凹んでいる間はないのだ、人生は短い。
さて、恒例の宣伝タイム! お陰様でラノベ主流のKADOKAWA『カクヨム』の『カクヨムコン』で、恋愛部門20番台を走っています。ここの読者さんで読んでくれた方もいるのでしょうか? もしいたら、感謝します。
男性読者の多い恋愛小説です。
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