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フラットなわたしになる。

ひとつの仕事が終わると、フラットな状態に戻る。これは誰にでもあることだと思う。一遍、素の状態に戻ってからストレッチをするように体を伸ばして活動を再開する。

わたしの場合、いま、小説のコンテスト応募が終わったので、ようやく"フラット"に戻れた。中身がどんなんだったかアピールするより何より、長かった……。友人は5月から準備したと言っていたけれど、わたしも夏くらいから準備を始めた。最初はどこのコンテストに出そうか決めていない野良小説だったんだけど、大抜擢を受けて10月から書き直しが始まったのだ。書き終わったのは1月半ば。

小説の世界では10万文字がひとつの単位で、わたしたちは小論文のテスト用紙を配られた時のようにサッと受け取り、1秒の間を惜しんで書かなくてはならない。なぜなら10万文字は文庫本1冊に相当するから。自分は本を1冊書けるんだぞ、というところを見せなければならない。なかなか上手くいかない。

ある情報によると10万文字小説を何本書いて持ってるかが重要だと言うし、そのまた別の情報ではネットの情報は眉唾ばかりだと言う。じゃあ「眉唾ばかり」とネットで話してるあなたは何者なのか、と聞きたくなる。わけがわからない。

とにかくわたしたち、心が小説寄りな人たちはとりあえず10万文字書いて、いつか「何か」をギャフンと言わせてやろうと思っている。何をだ?

そして、それをコンテストに出して、また書いて、落選してきた作品を別のコンテストに出して、書いて出す、というような、およそ普通の人が聞いたら非効率的な方法で毎日を送っているわけだ。

で、今は書いて出したところ。

つまり「モラトリアム」。「賢者タイム」かもしれない。なったことないけど。我々女としてはすることは済んだので、他のことを次にしようと考える時だ。しかし女とてそうせっかちに動けないのでフラットになる。

真夏の抜けるような青空の下、ホテルの白いプールに浮かぶ。なんならプルメリアの花も一緒に。新婚旅行みたい。でもそんな感じに脱力して、また明日のことをぼんやりと考える。

あれー、次に書こうと思ったのはなんだったっけ? こんなのはどうかな? いや、パクりだろう。まぁ、とにかくひと仕事終わったんだから心地よい気だるさに身を委ねても良くない……?

ダメ。

こう見えてわたしは自分に厳しい。フラットな状態である今だからこそ無駄な力が抜けて出せる力があるはず!

と、本気で思っているのが滑稽だ。でも、ひとつ終わったからと言って休まずに、次のプロジェクトに進もうと思う。

打ち上げくらいはあってもいいんじゃないの、と思うのだけども。

宣伝貼ります! 昨年夏に書いたちょっとピーキーな作品です。出したコンテストに落ちましたが、自分ではとても気に入っている作品。気になったらポチってください。文庫本1冊は全然ないです。よろしくお願いします。




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