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天国への荷物

もしあなたが癌などの重篤な病気で死にかけた時、延命措置を受けたいと思いますか?
植物人間状態になった時、自然死を迎えたいと思いませんか?

この小説は18歳の余命3年の女の子が、その問題に直面する話です。

わたしはそれまで人間は生まれてきたからには寿命を全うする権利があると考えてきました。その考えに疑問を持つきっかけとなったのは、『海を飛ぶ夢』という映画を観たことでした。
主人公は下半身不随になってベッドで不自由なまま、20年、詩を綴って生きてきました。しかしある時、自分で生きることを止める決意をします。
しかし法律では自死は認められないし、身体が不自由なのに自殺幇助も受けられない。

なにをすることもできないまま、人間としての尊厳を失って、ただ生きていくことは苦痛なんじゃないだろうか⋯⋯その時、初めて『尊厳死』という考え方に同意できました。

そこで、それをヒントに書いてみたのがこの小説です。
もしも法律で『尊厳死』、『自然死』が認められるとしたら?
その法律を適用した人たちは積極的な苦痛を伴う治療を受けずに済みます。
そこで、緩和ケアセンターに入って、静かに死を待つのです⋯⋯。

「しずかに死にたい」とずっと癌に悩まされてきた18歳の少女めぐは緩和ケアセンターに入ります。
しかし、そこで知り合ったのは、同じく余命わずかでありながら笑っている青年でした。
彼はなぜ笑顔でいられるんでしょう? なぜ他人を笑顔にできるんでしょう?
それが次第に気になるようになって⋯⋯。しかしふたりには残された時間はわずか。
余命3年。桜が三度咲いたら自分も散ってしまう命です。
行き続けようともがく遼と、それを見つめるめぐ。めぐの従兄弟で、めぐを大事に思っている亨。
三者三様の考えを持って、三人は死へのベクトルに向かっていきます――。

さて、この作品、KADOKAWA主催のコンテスト、略してカクヨムコン出品作品です。コンテスト自体はあと数日(~2/3)となっていますが、わたしの考えに興味のある方がいらっしゃったらぜひ、1頁でも読んでいただけたら幸いです。

自分の生が脅かされる時、あなたはなにを考えますか? どのように死にたいですか?
人間らしく死んでいくとはどういうことでしょうか?
よかったら、一緒に考えてください。

ではよろしくお願いします🙇‍♀️
*上のリンクをタップすると、カクヨムの小説トップページに飛びます。面白かったら評価やコメントをいただけるとうれしいです。


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