うたうたう つづき

みんなのまえで

うたえた、女のコ




でも、

大好きな男のコのまえでは

とてもじゃあ、ないけどうたえませんでした






ーきらきら星をみんなのまえでうたったよ



男のコに伝えると



ーえ〜ぼくもききたかったなあ。




そういわれたけれど

ココロのなかで女のコは


そんなの、ぜったいに、イヤ!

そうおもいました





きっと、君がいなかったからうたえたんだ

そうも、おもいました






男のコはうたがとっても上手で

女のコのまえでいつもうたっていましたが

それをきくのがとってもしあわせでした





一緒にうたいたい。

なんて、きもちはちっとも湧いてきません






だけれど

いつのころからか

男のコがうたっているときに

ココロがむずむず

のどがうずうず





からだが音をだしたがっているのを

女のコは感じはじめました




ココロがひらきたがっているのを

感じました





だけど

こわいこわいこわい




またなんと、いわれるか



ヘタなうたは

周りの人をキズつけてしまう...



そうおもって

こわくて声がだせません








どうしていいかわからない。

うたのことはしらない。と日々がすぎていきました







そんな日々をこえて

せかいに病気が広がって



この状況でわたしたちはなにができるだろう?

そんなことをみんなではなしました




 いろんないけんがでました

じぶんの魂をよろこばせていきる

それをみんなで応援し合う場をつくる

みんないきいき、たのしそうでした





そうしてでてきたこたえは

それぞれがこわい。とおもうことに

挑戦してそれでお互いに応援しあうこと。

「みんながみんなのネジをゆるませあう」

というこたえでした






女のコはドキドキしました

だってそれはやっぱり

「うたうこと」

だと女のコは感じてしまったから






わかってしまったからには

うたうしかありません





しかも男のコのまえでうたうのです





つぎのひ

男のコがピアノをひいてくれて

女のコがうたいたいうたをうたいました






勇気をだして

エイっとうたいました


ヘタクソだったけど

うたいました


こわかったけれど

うたいました




まだまだ


もぞもぞ

男のコにどうおもわれてるかな?

はずかしかったり、こわかったり

あっているか、不安だったり




でも

あれれ、うたうたのしさをおもいだしました



ちいさないっぽをふみだしました




そうして

男のコのまえでもうたえるようになって

すこしずつ、いっしょにうたえるようになって

でも、まだココロのなかはどきどき

なんておもわれるかなあ

ヘタだと嫌な想いをさせてしまうぞ







そんなある日

男のコと女のコは

一緒におひるをたべました



ごはんに

焼いたしゃけ

たまごやき

納豆 おみそしる




ふたりとも、しゃけのかわがすきで

いつもたべるのだけれど

今日のかわは美味しくないなあ。と

女のコはのこしました





それをみた男のコが

食べないんだね。といったあとに

それをうたにして、伝えてきました



それはとっても愉快でおかしくて

女のコは笑いながらそれをきいたあと

気がついたら

そのへんじのこたえをうたって返していました



それはとっても、へたくそで

おかしくて、しゃけのかわがなんちゃら。という

わけのわからないうただったけれど



女のコは夢中でうたっていました

伝えよう。とうたっていました





うたがおわると

ふたりは、ハっと顔をみあわせて

男のコは女のコをだきしめました




ヘンテコなうたで

おかしいのか、うれしいのか、なんなのか

わからないけれど

笑いながらだきしめあいました



顔をみあわせると

ふたりの目からはなみだがこぼれていました



*

*

*




女のコは

男のコがつくった

だいすきなうたを

みんなといっしょにうたっています


*

*

*










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