うたうたう
うたうたうこと
が大好きな女の子
みんなでうたうときに
おおきな声でうたっていたら
「話す声はちいさいのに、うたうこえはでかいんだな!」
男の子にそういわれます
おんなじころ
みんなでうたうえいごのうた
まえにいた、おんなのこにいわれます
「あなたのうたう声はおおきいから
わたし、それをきいてまちがえなくてすむわ」
そんなことをいわれ
ーわたしのうたうこえは
みんなにとってめいわくなのかしら
女の子は
だれかのまえで
うたうことがすっかりこわくなって
そっとしずかに、うたうことを
じぶんのなかに、しまいました
*
うたおうよ
そんなことをいわれても
こわくてこわくて
じっとだまって
たくさんの、たくさんの月日が
たちました
*
こころ許したこのひとの前では
うたえるかも
女の子は
エイっとゆうきをだします
たいせつな人のまえで
うたえるようになりました
安心できる仲間のまえでは
ヘタクソでもだいじょうぶかも
女の子は
エイっとゆうきをだします
仲間たちといっしょに
うたえるようになりました
まだ、ひとりでうたうのは
こわい女の子
じぶんのうたううたを
たんじょうびにたいせつな友だちへ
エイっとゆうきをだして
めーるでおくりました
そして、きょう
はじめまして。が
たくさんのひとのまえ
みんな
ひとりひとり
じぶんらしい音で
じぶんらしい声で
うたうたいます
ひとりひとり
ちがうくって
でも
ひとりひとり
すてきで
うれしかったり
じんわりしたり
たのしかったり
ここちよかったり
ひとりひとり
ほんとうに、すてきだなあ。とかんじます
女の子は
エイっとゆうきをだします
ヘタクソで
弾いてるなんていえないギターで
空に輝く
きらきら星を
うたうたいました
ーきらきら ひかる お空の星よ
まばたきしては みんなをみてる
きらきら ひかる お空の星よ
きらきら ひかる お空の星よ
まばたきしては みんなをみてる
きらきら ひかる みんなが 星よ