じぶん物語vol.4〜決めたら仲間があらわれた〜
着信は、前の年のクリスマスの頃に会った
とみさん。
*
当時、お付き合いしたばかりの彼がいて
国際交流パーティーを主催していた。
彼と出逢う前からその団体のイベントが
気になっていたのだけど
彼との出逢いを通して
ようやく念願叶って
クリスマスパーティーへ行くことができた。
その、クリスマスパーティーで
出逢った人だった。
人が多く集まる場所で
ひとりやふたり、男女問わず
あ、この人気になる。仲良くなりたい。
みたいな人、いないだろうか?
わたしには毎度そんな人がいるのだけれど
その彼もそのひとりだった。
パーティーも後半
その彼がわたしのほうへ近づいてきて
あ、やっぱりそうだよね。と
はなしをして、連絡先を交換した。
あとから
知るのだけれど
彼の携帯の連絡先の容量が
わたしが999人目だったらしく
わたし以降連絡先を交換した人の
連絡先ははいっていなかったそう。
はなした内容はよく覚えていないけれど
彼がいるにも関わらず
不覚にも、なにか直感的に感じるものがあっ。
パーティーのあと
彼に、とみさんのはなしをすると
すごくお世話になっていて尊敬している人らしく
繋がってくれて嬉しい。ととてもよろこんでいた。
後日、とみさんから連絡がきて
ふたりで会うことに。
なにか。を感じた気持ちはおさえながら
男女関係なく、友達がほしいし。と
わたしは彼、大丈夫かな?とおもいつつ
会うことに。
世界1周が夢なことが共通していたり
鍼灸師で東洋医学に精通していたり
直感的にいい。とおもっていたところから
ますます魅力を感じてしまったのだった。
かといって、彼のことがすきだし
別れるつもりはなかった。
でも、とみさんに会ったことは
正直に伝えることにした。
男の人とふたりで会ってほしくない。
しかも、とみさんだったなんてますますショック。
といわれ
彼の嫌がることはしない。と決め
そのあと
とみさんからイベントに誘われることもあったのだけど
ネットワークビジネスのにおいがしたことと
(当時、嫌なおもいをして、大嫌いだった)
じぶんなりのケジメとして、とみさんからの
連絡を一切とらないことにした。
返事をしないうちに
連絡もこなくなり、
だけれどそこから一ヶ月も経たないうちに
彼にフラレた。
なんていわれたかは
思い出せないけれど
ふたりで会った。というはなしをしてから
なんだか、彼のかんじがあきらかに変わっていた。
3/11のことがあっても
彼から連絡がくるわけでもなく
あ〜、ほんとそんなもんかあ。と
本当に、さみしかった。
*
そんなことがあっての
とみさんからの電話。
3/11の直後にも連絡をくれて
連絡が、途絶えさせていたもんだから
わたしを心配してくれたの?ん?と
不思議で間違ってないか聞いたけど
そういうことではないらしい。
連絡をくれたことがうれしかった。
電話も、また間違いかな?と
おもいながら、とる。
ーもしもし?
なにかしたいと思っているんだけど
なんかすでにしてる?
彼も、震災があってなにかしたいとおもってるらしい。
すでに、何回か沿岸部に泥かきにいっているようだ。
ーおむすび、結んでもっていきたいんだよねえ。
でも、足がなくって。
車はあったけれど
ガソリンもなかなか手にはいりづらい時期だった。
ーおれ、緊急車両としてガソリンいれられるから
ガソリンあるよ!
老人施設に勤めていた彼は
優先的にガソリンをいれられるらしい。
ーえ、じゃあ!
翌日、わたしの職場の帰り道で
とみさんも最寄りのスーパーの駐車場で
会う約束をして電話をきった。
.....嬉しい!
やっぱり、じぶんの想いを生きたら
一緒にやってくれる仲間が現れるんだ!
翌日、
自転車で職場までの道を40分ほど
かけて通いはじめていた、わたし。
仙台の街は坂道がおおいので
けっこうな運動になる。
その帰り道に約束のスーパーにいく。
まだ、着いてないようなので
スーパーのなかのベンチにこしかける。
遠くから手をふりながら
黒いジャージと長靴姿の
ヒゲをはやした人が現れる。
???
髪の毛もひげものびて
しかも、長靴で、かなり
印象がちがかったけれど、とみさんだった。
ヒゲは復興するまで
剃らないときめた。といっている。
...ほんとかな?
話す場所もないので
作戦会議しよう。ととみさんの
車に乗って、そのまんま駐車場ではなしはじめた。
車はなんだか、すごく
汚くて、仲間から集めた服とかが
たくさんつんであった。
被災地に届けよう。と震災後一緒にすごしていた
仲間から集めたらしい。
とみさんの家も地震の揺れで被災したらしく
帰れない状況らしい。
住んでいたあたりは、あまり地盤がよくなかったそうだ。
作戦会議といっても
わたしは、おむすびを結んでもっていく。ことしか
決めていない。
被災地につてもないし、どこに行ってどうして
いいのかわからない。
とりあえず、仲間を集めよう。というはなしになって
わたしは、おむすび仲間のみっちゃんと
春にイベントをしよう。と一緒に動いてくれていた
直ねえに声をかけてみることにした。
とみさんも
何人かあたってくれるらしい。
あんまり
細かいことは決まらなかったけど
じぶんひとり。から一緒にやってくれる人が
現れて、心づよかった。
ふと、前をみると
手を差し出されていた。
ふたり握手を交わし
作戦が、はじまった。
その手は強くわたしの手を
にぎり、熱くって、わたしは泣きそうだった。
後日、
直ねえもみっちゃんも、
とみさんの友達も一緒にやりたい!と
続々と仲間が集まってきた。