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探偵社設立秘話読了

かつて横浜で用心棒をしていた福沢諭吉は、妙なことから傍若無人な天才少年・江戸川乱歩の面倒を見るはめに。仕事で福沢たちが赴いた劇場で不可解な殺人が起き!? 2人の出会いと探偵社の日常を描く豪華2本立て!

https://www.kadokawa.co.jp/product/321407000243/

本はまず借りて読むので、かれこれ一年半ゆるく探してやっと見つけた一冊

敦の入社試験前日の話から、

文ストの中で谷崎ナオミの色気と言葉が、潤一郎のリアクションとセットで好き

ただ1人に注がれる熱烈で盲目的な愛

そのナオミの最後の一言に今回特にゾクゾクした

そっか、そうやってあの入社試験に繋がるんだ

探偵社設立秘話、

人が人に心を許す、尽すまでの流れが、こんなにもワクワクするトリックとともに書かれていること

今まで小説で書かれなかった福沢と乱歩の過去

バディを組むことでの成長や絆が主に書かれ続けていた文スト

年齢に倍以上の差があり、互いに大人である、子供であると認識している2人

その差が保護する者、される者、という関係を築いていて、心強さよりも温かさを感じた

正直、福沢の無愛想な所も乱歩の我が儘も好きではないけれど、
(実際に接したら疲れるからだと思う)

人と人が偶然出会って、感化されて行く姿には凄くかっこいいと思った

そして一番の感想は、織田の瞳に救われたということ

最近落ち込むことが多く、何か満たされないような気持ちの中で本をあさっていた

そんな時、この本を読んで印象に残った文

この少年の目は違う。冷たさすらない、温度そのものが存在しない虚無の瞳だ。慈悲や優しさはおろか、慣しみやいや殺人快楽すらない、希望も絶望も放棄した、人生におけるあらゆる感情的なものから"降りた"人間だけが持つ瞳だった。

殺し屋として拘束されている織田少年に、福沢が抱いた印象

最近身の回りで起こることの情報量が多くて、その分目を背けたくなることも沢山あって、それでも唇噛み締めて心で向き合わないといけないっていう状況が続いてた

そんな時知った彼の瞳が、そんなに抱え込んで感情的にならなくてもいいと教えてくれたようで本当に救われた

最悪、少し先の未来で生きてさえいれば、今の自分は取り敢えず無視してもいい、と自分の中で昇華できた

彼がそんな風になったのが何故なのか元々だったのか、私では理解出来ないような辛いことがあったのかもしれないと、その職業から推察はできる

だからお礼を言う筋合いは一切ないかもしれないけど、織田少年に感謝したい

本との出合いにも感謝
これから本屋に行こう

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