タワーレコード梅田大阪マルビル店
完全に情報収集を怠っていた。タワーレコード梅田大阪マルビル店が一昨日閉店したことを、今しがた知った。これほど悔しい情報収集ミスはない。
この店の開店は1995年。ちょうどその頃大学生だった私はクラシック音楽に深く深くハマっており、同好の士の友人たちと、京都、大阪、神戸のCDショップを巡っては(「巡礼」と称していた)、「自分だけのとっておきのクラシック音楽CD」を探し出そうとしていた。
その後、メガストア系のCDショップは軒並み閉店、縮小、撤退が続いていく。特にクラシック音楽というジャンルはもともとニッチであるためか、仮にCDショップが移転などしつつ生き残っても(例えば、京都のタワーレコードなど)、クラシック音楽の売り場が縮小・消滅するなんてことも往々にして発生した。
そんな中で、タワーレコード梅田大阪マルビル店はずっと「熱い店」であり続けてくれていた。いや、正直に言えば、ここ数年私自身もCDを購入することが減ってしまい、足は遠のいていた。それでも、数年前の中世・ルネサンス・バロック音楽のマイブームの時には、やはりこの店の品揃えの変わらぬ強さに心を踊らされた(つまりは、ヤバい数のCDを購入してしまった)。
Amazonの隆盛や、AppleMusicをはじめとしたサブスクによる音楽の楽しみ方が定着する中で、今後も店舗型のCDショップの閉店・縮小は続くだろう。時代の趨勢の中では仕方のないことだと諦めている。よくこの時代にここまで、ほぼ同一の地区に「梅田大阪マルビル店」と「NU茶屋町店」という2店舗も維持できていたとさえ思う。
それでもやはり。
寂しい。ひどく寂しい。そして。
自分にとっての青春の地の一つだった店舗の最期に立ち会いたかった。何ができるわけでも、顔なじみの店員やバイヤーがいるわけではないけれども、それでも最期の場所に行っておきたかった。
タワーレコード梅田大阪マルビル店さん、本当にありがとうございました。私はそれほどいいお客じゃなかったかもしれないけれども、間違いなく、私の音楽に満ちた生活を支えてくれた店舗の一つでした。
NO MUSIC, NO LIFE!……本当にいい言葉です。