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為替・金利と株価の関係(2/2)
※目的:為替と金利の関係、それと株価の関係を把握する。
※所要時間:15分
※Goal:購買力平価説・金利平価説を知り、株価との関係を考えられるようになる。
はじめに
前記事は、短期的には、為替と金利には密接な関係がありますよという話。
今回は、それと株価の関係を考察する話です。
政策による為替と金利のコントロール
昔は、政府による為替介入は、よくありました。
今は、それは自由貿易を阻害するものとして、国際社会の非難を浴びるものとして避けられています。
ただ、前回、金利平価説で述べたように為替と金利は密接な関係があり、
金利政策により為替が動くことは、よくあります。
なので、政策による金利が動くタイミングは重要で、
その意味で、FOMCとか日銀会合が注目されます。
今は、ドル金利高・円金利安からドル高円安の傾向ですが、
その法則や傾向が、いつまで続くかは、時々の状況で変わります。
為替と株価(企業業績の関係)
切り口は、
・輸入企業か輸出企業か
・海外子会社の業績の比重の大小
円安は通常は、以下の効果が考えられます。
・輸出企業の業績好転
・輸入企業の業績悪化
・海外子会社の利益の拡大
・海外子会社の損失の拡大
円安により、以下の効果が想定されます。
・輸出企業にとっては、価格競争力が増し、売上増、業績改善。
・輸入企業にとっては、仕入コスト増、業績悪化。
海外事業の比重の大きい会社は、海外で稼いでいるか否かで明暗が分かれます。
海外事業の比重が大きい=円安が有利になるとは限りません。
金利と株価の関係
(1)金利と企業業績の関係
・低金利→企業業績好転(→株高?)
通常は、低金利は支払利息の減少により企業業績を好転させます。
(2)金利と債券価格の関係
・低金利→債券価格高(→株安?)
金利と債券価格の関係は逆相関です(数学の問題です)
投資対象が債券と株式の2種類しかないなら、債券価格高(債券の需要増)
は株安(株の需要減)につながります。
(1)(2)の考え方がありますが、実際に見られる現象は
・金利高→債券安→株安
・金利安→債券高→株高
債券安と株安、債券高と株高が両立する状況です。
為替・金利と全体相場(日本株)関係
円金利安→円為替安→日本企業の業績改善→全体相場の上昇
日本企業は輸出企業が多く、海外で稼ぐ企業が多い、という前提です。
ただ、この前提も変わりつつあります。
また、あくまで全体的な影響であり、個別企業で円安メリットのない会社も当然あります。
まとめ
今は、金利変動(=債券価格変動)→為替変動→株価変動
の流れなのかと思われますので、
政策金利の動向が注目されるのは必然であり、
これを無視することができません。
なぜ、政策金利を動かす必要があるのか?
金融政策の目的は、インフレと失業率のコントロールにあり、
ゆえに、物価指数や失業率という結果の指標が注目されることになります。
物価指数や失業率から、今後の政策金利や為替を想定し、
株価の変動を予測する。
そんなことが出来たら良いですね。