信用取引の委託保証金維持率の考察
■前書き・注意書き
(注)筆者は、信用取引については、ほぼ素人なので、内容に誤りのある可能性があります。
間違いや不明な点がありましたら、コメントいただけましたら幸いです。
2024年8月の暴落では、追証による売りが多く出たといわれています。
どういう状態であったかを、計算例をもって、考察します。
■信用取引の委託保証金維持率と追証の関係
(参考)信用取引の「委託保証金率」「委託保証金維持率」とは?
https://www.smbcnikko.co.jp/products/stock/margin/knowledge/009.html
日興証券の説明が分かりやすかったのですが、証券会社によって微妙に違うので、実際に検討する際は、ご自身が取引を行う証券会社のサイトを確認するべきです。
以下のモデルでは、簡易的に、以下のように計算します。
・現金+現物株×掛け目+評価損益=委託保証金
・信用建玉/委託保証金=委託保証金率
■8月の暴落
(下図は日経平均の終値)
→計算例では、20%、25%の下落率を想定します。
■数値例に基づく試算
・フルポジ、信用2倍:現金ゼロ、全て現物株、同額の信用買いポジ
維持率30%割れで追証ならば、20%下落では、追証が発生します。
・フルポジ、信用3倍:現金ゼロ、全て現物株、現物×2の信用買いポジ
維持率30%割れで追証ならば、10%下落でも、追証が発生します。
・フルポジ、信用1.6倍:現金ゼロ、全て現物株、現物×0.6の信用買いポジ
維持率30%割れで追証ならば、とりあえず、追証の発生は耐えています。
■ざっくり考察
2階建て、3階建てでは、20%の下落では追証は免れません。
フルポジで、信用が現物の6割程度で、今回の暴落には、追証が無いという意味では耐えられると計算されました。
ただ、含み損の増加に耐えられるかは別問題だと思います。
最悪を想定し、その発生可能性を考慮し、リスクが低いと思えば、証拠金率を下げ、リスクが高いと思えば上げる。というのが最適解だと思いますが、なかなか神業のように思われますので、コンサバに考えるのが良いと思います。