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オレとコロナの成長記⑦

飲食店を経営していれば色んな繋がりができる。
誰々のお店がコロナによって閉店した…
とかは、コロナ禍が始まってから何回か聞いてて珍しい事ではなかったんやけど
実際に僕の親友のお店がコロナに潰された。
悔し過ぎた。

その友達も飲食店を経営しててコロナ禍の中でお互いにずっと励まして会ってきた仲間だ。
その親友が
「もう無理や。もう事業止めるわ。」
って言ってきた時には涙が溢れた。
コロナが憎くてたまらんかった。

コロナが僕に「お前の親友の店も潰してやったぞ。」と言ってきた様に思えた。

僕は怒りと悔しさが入り混じって
ドラゴンボール風に言うと
フリーザーに殺されたクリリンに、
悟空の怒りが激しく燃え上がる感じに似てたかもしれない。

「クリリンのことかーっ!」
って言いたかった。
僕はスーパーサイヤ人になった。

今日はその事について書いてみる。

その親友は市内で親々の代から引き継いで料亭を経営してた。自分は3代目だと言ってた。
彼の事業の収入源は、宴会と仕出しが9割を占めてると言ってた。

コロナ禍が始まってから
お店の宴会は御法度になった。
世間では法事なども慎まれる様になった。
そして仕出しもほとんどゼロになった。

自社に送迎用のバスを持ってたけど宴会の需要が激減した。従業員の給料を払う為にそのバスも売った。
雇ってたバスの運転手さんにも辞めてもらった。
更に仕事が激減したので数人の従業員には辞めてもらった。
仕出しの仕込みだけに働きに来てもらってたおばあちゃんも辞めてもらったし
仕出しの配達要員のおっちゃんも辞めてもらったと言ってた。

僕は彼の事を何でも知ってる…

「オレら同じ飲食店やけどシンちゃんの事業はまだええやん。シンちゃんはまだまだやれる事はあるっ。まだ諦めるなって簡単に言うけどシンちゃんがオレの立場やったらどうするねん?」
って彼に言われて何も答えられなかった。

彼の立場がまるで自分の事の様でマジで辛かった。
それから色々と考えてオレと一緒に居酒屋しよか。
などと提案したけど彼は
ホテルに就職してもう一回料理を勉強するわ。
と言った。

彼は長年の技術もあって料理には絶対妥協せーへんた。
彼はプライドが高くて簡単に人に使われる様な奴じゃない。
それでも家族を守る為に一から学び直すと言ってた。

そんな境遇の人が世の中には五万といる。
コロナは世の中の全てのシステムを破壊する程強烈な奴だった。
今生きてる人が初めて経験したウィルスによる災厄。

これから生き続ける中で、これ程の衝撃は無いかもしれない。

彼と話した一部始終を時々今でも時々思い出す。

ドラゴンボール七個集めて神龍に
親友の店を復活させてもらいたい。

だるいねんコロナ



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