高1進研記述模試(11月)
どうも、家庭教師のせむです。
11月(10月?)の高1進研記述模試を生徒が解いてきました。
模試の感想、および今後の学習計画については一般論的なことがらも多く、生徒ごとに毎回喋るのもアレですから、この場に概要を記そうと思った次第です。
模試の感想だけでなく、それに基づく今後2~3ヶ月くらいの大まかな学習方針も記載しました。この方針に忠実にやるのでも十分ではありますが、それぞれの現状の成績と志望校に合わせて計画を調整することで、さらに万全になります。
※著作権等ありますので、模試の問題の解説はしません。
全体
数学:これから半年が踏ん張りどころ
個人的には、この時期は文理問わず、数学に一番力を入れてほしい時期です。
理系は「数学が得意科目にできるかどうか」、文系は「数学を入試で使うかどうか」の判断が、おそらくこれから半年くらいで発生します。理系は言うまでもありませんが、文系にとっても、「数学NG」は志望校=皆さんの可能性を狭めますので、良いことではありません。
詳しくは後述しますが、数学の目標は全員一律70点です。70点が取れる子は90~100点が目標。70点はチャートの基本例題だけでも十分に狙える点数です。90点以上はもう少し強度の高い問題集をさらに追加で使う必要があります。
数学はわりと早くに学習効果が現れる教科ですので、次回(1月)は是非目標点を狙ってみてください。
英国:「解くための読み方」を習得する
英語と国語では、そろそろ中学式の解き方「読めれば解ける」が通用しなくなってくる時期です。
全体的に文量が増えてきたため、全部を丁寧に読むことが難しくなってきました。記述問題の字数制限は徐々に厳しくなってきており、探すべき箇所・内容数も大きくなってきています。選択肢問題も徐々に難化し、適当に総当たりの全探索をするだけでは解答の根拠が見つけられないものが増えてきています。
つまり、「ただ読むだけ」では対応しきれない問題が増えてきました。
そこで必要になるのが、「解くための読み方」です。
手順はおおむね2つに分けられます。
まずは探すこと。
「理由を聞いているならbecauseを探す。その直後にalsoもあるから、その後も理由だと判断する」といったように、文の具体的な中身ではなく、文の役割を表す語に注目して、どこを解答に使うかといったことを判断します。
そしてそこの箇所を訳すこと。
問題形式が何であれ、基本的には和訳をしてから、それを記述で説明するなり、選択肢を吟味するなり、改めて英語に書き直すなりするわけです。和訳は全ての長文問題で必ず必要になる手順です。
和訳する際に必要なのが、英文解釈の力です。詳しくは下の教科別反省の部分で述べています。
話を戻すと、これからは必要な箇所を探して解く、他は流し読みする、という緩急をつけた読み方ができるようにならなければならないのです。これは古典も同様です。
現代文も大筋は同じですが、和訳の必要がない代わりに「探す」のが滅茶苦茶きつく、選択肢の判断や記述の字数なども厳しいのが特徴です。
数学と比べて即座に成績が上がるわけではありませんが、英国はそれぞれ60点を目標点としておきます。
得意科目としてなら、国語は70点、英語は85点を目標にしてください。
帰国子女や英検準1級以上などで8割取れていない子は、問題の解き方が悪いです。このままですと、そう遠くないうちに他の受験生に実力で並ばれ、大したアドバンテージを握れなくなります。早いうちの対策を。
以下は、上記内容を踏まえた各教科の今後の学習指針となります。
数学
チャート使おう
まずはチャートで今回の模試の問題を調べてください。
そして、「チャートの基本例題(青チャなら難易度3以下)だけで何点取れたか」をカウントしてください。
問題の活用度合い(例題と実際の問題の見た目がどのくらい乖離しているか)にもよりますが、7割~9割はチャート基本例題だけで取れたと考えて良いでしょう。
つまり、今回の模試で7割取れなかった人は、チャートの例題演習不足です。これが、私が上記で「数学目標7割」と掲げた理由です。
※学校によってはチャート式じゃないやつを使っているところもありますが、とにかく例題がたくさん載っている形式の参考書のことを、今回は全て「チャート」と呼ぶことにします。
貰った覚えがない子は買ったほうが良いです。
4プロや3トライアルといった教科書傍用問題集に追われている子も多いとは思いますが、あれは学習事項をひたすらインプットして刷り込むための修行です。計算力や即座の対応は身につきますが、得られるものは短期記憶的で、問題の見た目が少し変わっただけで対処できなくなります。
それを解消するのがチャートです。チャートを使うことで、傍用問題集で体得した解法を整理することができます。傍用問題集で身につけた計算力との両輪で初めて、目標点を取ることができます。
・70点以上の人
もうワンランク上の問題集も併用するか、チャートのエクササイズ・総合問題も解くようにしてください。
過度な予習はあまり薦めていません。いま数Ⅲを独学で学んだところで、定期テストでも模試でも出題されませんので、大したフィードバックができないからです。それよりは、普段の授業で学んでいる範囲を、より深く学習すべきです。
私は生徒にはエクササイズ+塾専用の問題集でやらせています。
エクササイズはあまり評判がよくありませんが、私の授業では「この例題はこういう風に出題される」という観点でエクササイズを解説しています。
塾専用の問題集はツテがあって入手しているだけで一般販売はありません。文量もそのまま使うとだいぶ多く、潰れます。私は生徒ごとに量や目標レベルを個別に定めて、解かせる問題を選択しています。
市販なら「1対1演習」や「標問」がおすすめです。
入試問題集の中でも例題→練習題の構成になっているものを「典型問題集」なんて呼んだりします。1対1や標問はいずれも典型問題集です。
難易度は、大問の最終問題に相当するものがメインとなっています。今年10月の模試だと、例えば高2模試の数列(数B)の最終問と全く同じものが、1対1の数Bに収録されています。
(2)までが完璧に解ける子が使えばめちゃくちゃ効きます。模試で100点狙うなら是非。ちなみに私が使ってる教材も、1対1や標問と同等レベルの問題集です。
英語
文法問題/単語力
そろそろ、中学的な単語・文法学習では対応が難しくなってきます。
単語は学校の授業だけでは絶対に足りません。単語帳を何かしら1冊仕上げてください。
そこまで難しいものをやらなくてOKですし、完璧に覚えなくてもOKです。パラパラとめくり続けて、何周も見続けるイメージです。
文法も同様です。
中学校と違い、高校(大学入試)の文法問題は、ただ暗記するだけでなく「使い分け」が非常に重要になります。
目が慣れていないと、「全ての選択肢が正解/間違いに見える」という状況に陥ります。
また、こちらも単語と同様、重要表現などは学校の授業だけでは絶対に足りません。なので、早いうちに、ネクステ系を1周したいです。
こんな感じのやつ。文法事項が1200~1500問くらい収録されてるやつです。
※今は持っていない子も、高2になってから学校で配られる場合もありますので、買う前に一度先生に確認してみたほうが良いかもしれません。
単語とネクステですが、高2の夏くらいまでに仕上がると良いかな。
英文解釈はじめよう
英文解釈とは、平たく言えば和訳のトレーニングです。
最初に伝えた「解くための読み方」において、実際に答案に解答するために必要な技術です。もちろん、それ以外の箇所のリーディングについても、大いに役立ちます。
英語の文構造はどんどんと複雑になってきています。中学レベルなら適当に単語だけ追いかけても十分内容が把握できましたが、これからはそのような解き方は通用しません。
覚えた単語や文法を、「読むための技術」としてまとめ上げるための学習こそが英文解釈です。
数学でたとえるなら、傍用問題集が単語/文法、英文解釈はチャートです。
扱うテキストですが、僕の授業では塾専用テキストを使用しているため、皆さんの参考にできる点は多くないかもしれません。
生徒が勝手に自分で追加教材を買ってくるのですが、よく見るのは「肘井の…」「英文解釈の技術」「英文問題精講」といったシリーズですね。著者の先生方、および信者の方々には申し訳ありませんが、正直いずれも良書であり、大差ないです(というのも、英語は所詮最後には学習量がモノを言うので)。
実際に書店で手に取ってみて、一番肌に合うものを買うのが良いと思います。
いずれも、高1の10月~1月の模試くらいを想定した難易度の英文かなと思います。
今まで英語を暗記だと思って苦手意識を持っていた子が、1つの文にじっくり向き合って和訳するのにハマることは結構あります。私の生徒が追加で問題集を買ってくるのもそのクチです。
高3の夏くらいまではひたすら英文解釈でもOKなくらいです。
国語
現代文:ただ「読む」だけじゃ…
現代文も英語と同様です。そろそろ「読み方」の変化が求められています。
ただ、何をやるとなると中々「これだ!」とは言い難いですね…。私はこの時期は、記述に特化した入試問題集(※学校専用教材)を使わせたりしています。市販はあんまり良いのがない印象ですが…ウーン
古文漢文:説明問題が書ける子になろう
古文漢文は、現代文とは別です。
基本的な方針は英語と同じです。所詮異言語、同じ穴のムジナってやつです(?)。
読めるだけである程度解ける科目なのは間違いありません。そして、求められる単語力や構文力などは、英語に比べればそこまで高くありません。
そろそろ模試の問題構成も読解色が強くなってきます。これからの課題として、「なぜか」「どういうことか」といった説明問題に迷いなく解答できるだけの記述力をつけよう、という点が挙げられます。
学校の先生は「抜き出せ」と教えてくれたはずですが、ただ抜き出すだけでは中々上手に得点が入らないのが事実です。このあたりを簡潔に書けるよう、普段から心がけてみてください。
まとめ・次回目標
以上が大まかな模試反省と、今後の学習計画になります。
改めてまとめると、一般的な子については、
数学:チャートやる。目標70点
英語:単語/文法やりつつも、英文解釈始める。目標60点
国語:何かしら頑張る。目標60点
合計:190点(偏差値70くらい)
が次回1月の目標です。
全体目標が厳しい場合は、1教科ずつやっていきましょう。それでもゴールが遠い場合は、その教科のうちの1分野でも構いません。
大切なのは、しっかりと対策をして、その成果があらわれたかどうかを次回模試で確認することです。
上記目標を既に(ある程度)達成済みの生徒は、
数学:チャート以上の強度の問題演習も実施。目標90点
英語:帰国子女に負けない「解き方」を身に付ける。目標80点
国語:頑張る。目標70点
合計:240点(偏差値80くらい)
です。
こちらは全科目クリアするのはだいぶ厳しいですが、皆さんの頑張りに期待しています。
ここまで来ると「バランスよく」の方針でこなした程度の学習量では中々伸びませんので、ひとまず1科目ずつ仕上げていくのが良いと思います。
冬は部活の時間も短くなり、期末テスト後はしばらくフリーの時間があるため、学習量を増やす絶好のチャンスです。
ここで一気に学習強度を上げていくことで、周りと徐々に差をつけていきましょう。
おわり
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