模試との付き合い方【大学受験】
こんばんは、家庭教師のせむです
模試の受け方、使い方について、個人的に生徒に指導していることをざっくりとまとめました。
※主に高1・高2を対象にした記事ですが、高3でも参考になる部分はあると思います(高3はこんなに呑気に計画立ててられなかったりする)
受ける前
・テーマを決めて勉強する
模試において大切なのは、必ず次の模試の「重点対策テーマ」を決めて取り組むことです。
取り組む期間は2週間~3ヶ月くらい。これはやる内容に応じて決まります。「次の模試が再来週だから、今から2週間で仕上げる!」という、スケジュールありきの決め方はよくありません。
そういう形だけの勉強をしていると、「理解度いまいちだけど時期来たし次のレベルの問題集に移ろうかな」なんてことになります。
テーマを決めると、自ずと目標もセットで決まってきます。
といった感じ。
「この単元をやり込もう!」と決めれば、当然「どのくらいやり込むのか?やり込んだらどのくらいの成果になるか?」というところまで考えが及ばなければなりません。
そのためには前回模試を参照しましょう。前回より幾分か難しいことを想定しつつも、「大体このくらいだな」という見通しはしっかり立てておきましょう。
・長期計画と中期計画
テーマを決めることは、学習習慣や計画の面で非常に効果的です。
受験本番って遠すぎるんですよね。遠すぎるので、そこに至るまでのステップも多すぎる。
受験本番から逆算して計画を立てるのが本来あるべき学習計画です。
が、計画規模がデカすぎて、計画を立てることもままなりませんし、立ったとしても、後々いろいろと修正を強いられます。
よって、「長期計画はあくまで長期計画」と割り切ります。
代わりに意識するのが「中期計画としての模試対策」です。
おおむね1~2ヶ月くらいで終わる学習計画を立てて、それの確認の場として模試を活用します。
中期の学習計画が長期の計画の大雑把に沿うようになっていればそれで良いです(例えば、この調子で1対1を進めていけば、高3の5月には全部終わる、等)。
中期計画は取り組むべき内容・目標もより具体的ですし、それゆえに考えることもシンプルです。
シンプルですから、「勉強している」という実感が湧きます。これはモチベーション維持において非常に重要な観点です。
受ける時
受ける時にしかできないことがいくつかあります。
・時間配分
まずは勿論これ。時間配分を想定しながらやってみてください。
時間配分をまともに意識するのは、高3の12月、共テ対策が本格化する頃になります。でも、それじゃ遅いっす。それまでの模試は全部適当に受けるの???という話です。
なので、早いうちから、時間配分を意識してやってみてください。
というか、模試前に重点テーマを設定したなら、当日の時間配分も当然のように意識するはずなんですけどね。
だって、他の問題ばかり解いて重点テーマが全く手が出せなかったなんて、ただの間抜けじゃないですか?
・作問者の意図の把握
模試の問題って非常~~にバランスよく作られてるんですよ。
問題形式も、問う内容も、被りが出ないように(もし内容が被っていると、その内容を知っていた子だけが点数高めに出てしまうため)丹念に考え抜かれています。
なので、それを逆手に取って、作問者の気持ちを把握しながら解くことを意識してみてください。
「ここ、俺だったら読解問題の答えで使うな」と思いながら長文を読むんです。
作問者の目線や、問題の背景を考える習慣は非常に重要です。これがあるとないとで、学習方針の立て方や、問題の解き方/攻略の仕方に対するアプローチが大きく変わってきます。
これは解答や解説を見てしまった後では中々育たない視点です。解いている時にこれを是非意識してみてほしい。
受けた直後
復習フェイズ。
以下のことを1週間以内に済ませます。
土曜に模試を受けたなら、土日のうちに終わらせるのがベスト。
・重点テーマ反省
真っ先にやるべきはこれです
ちゃんと反省してくださいね
・皮算用
チャート、単語帳、ネクステ等の基礎教材を参照しながら、「これらが完璧に仕上がっていたら何点取れたか」を確認してください。
これらは次回目標点を設定する際にも役立ちます。
・悩んだ問題の解説確認
模試は解説が詳しすぎるため、この段階で全解説を読む必要はありません。
難しかった問題だけ、解答を確認しておくと良いでしょう。「悔しい」とか「惜しい」という感情が乗りますので、次回同じような問題が来たときに対応しやすくなります。
解説に全部目を通すのは、一連のやるべきことを終えたらですね。
・解き直し
模試の問題は非常に上手に作られていますから、余すところなく活用しましょう。
数学で選択しなかった問題などを含め、解かなかった問題は一通り解いてください。
また、2周目に解く際は、「答えを知っているからこそ」の観点を大事にしながら解きましょう。
国語や英語なら「答えはここに書いてあるが、それはここの単語を手がかりにして見つけられる…」といった具合。数学は日本語の記述を丁寧に書いて、自分が何をやろうとしているかを明確にするように。
受けた後
・次回模試に向けての学習テーマ決め
まずは当然コレです。
テーマですが、最大2科目くらいに絞り込んでください。あまりに多くても手が回らなくなり、目標の未達成率が上がります。
「できそうなテーマ」と「めちゃくちゃ辛そうなテーマ」を1つずつチョイスすると良いかな。
・成績表返却
結構後になりますが、成績表が返却されます。
成績表の見方は、「重点テーマとして設定した部分が、同学力層よりも高い得点率になっているか」に注目するのが良いです。
自分で設定した目標が未達でも、同学力層より高い得点率だったなら一旦OKとして良いです。ダメそうなら次回もう少し補強して挑んでほしいところ。
まとめ
模試を学習のペースメーカーとして活用しよう、という話でした。
模試は受けた後の復習の重要性だけがやたら強調されがちですが、本来は入念に予習をして臨むものだと思っています。
入念な予習があるからこそ、それに対する学習成果はどうだったか?という反省が生まれます。
形だけの復習をしていても、何を意識して今後学習すれば良いか不明瞭になりがちです。
大問が学習単元別ではない英語は、特にその傾向が強いです。数学や国語はまだ分かりやすいんですけどね…。
事前にテーマを決めて学習していないのなら、それは至極当然のことです。
ちなみに判定は、高2のうちは「変えられるが、最も可能性の高い未来」だと思ってください。このまま順当に行けばどうなるか、というのが現在の判定です。
これが高3の秋だと「ほぼ変えられない、最も可能性の高い未来」になってきます。怖いですね。
模試を上手く使いこなせれば、間違いなく学習が上手く回ります。
日々の学習や進路に漠然とした不安がある子(つまり長期計画に関して不安がある子)は、一旦模試に向けた学習メインにしてみて、中期計画を立てるところからやってみてください。
中期計画ができるようになれば、いずれ長期計画もしっかり立つようになります。
おわり
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