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サイモンとガーファンクル セカンドアルバム「サウンズ・オブ・サイレンス」第2曲「木の葉は緑」 Leaves That Are Green

軽快な前奏と共にポールの早口の歌で始まるさわやかな歌。

I was twenty one years when I wrote this song
この歌を書いた時、僕は21歳だった
I'm twenty two, but I won't be so long
今は22歳、でもそれも長くはない
Time hurries on
時はめまぐるしく過ぎる

Lyric :©Paul Simon 迷訳:musiker 以下同じ

あの「サウンド・オブ・サイレンス」(ヒットしたエレクトリックバージョン)が第1曲目に収録されている第2作アルバム「サウンズ・オブ・サイレンス」のすぐ後に入っています。とてもシリアスでダイナミックな「サウンド・オブ・サイレンス」と対照的な、その軽くて明るい雰囲気がいっそう印象的に感じます。

歌のメインテーマは、2番に出てくる、かつて心を支配していた少女への恋心と失恋。嵐のように過ぎ去った出来事の心情を歌っています。

ソングライターに限らず人間の心、特に若者には常に恋へのあこがれと葛藤があります。多くの歌の底にはそういう「心」が流れています。永遠のテーマといえるかもしれません。

表現する手段は、アーチストによってさまざまです。

マーラーという作曲家が自ら詩を書いた「さすらう若人の歌」で歌われているのも失恋の痛み。マーラーはその心情をオーケストラの伴奏による歌曲で、大がかりに表現しました。

一方ポール・サイモンは、それを覚えやすいメロディとテンポのいい軽いアレンジで、わずか2分21秒という短い歌で表現しています。

そして、恋の歌でありながらも、やはりポールの歌らしく、恋の心情を超えた何かを問いかけているような気がしてなりません。聞けば聞くほどそんな思いが強くなるのです。

3番では、河に小石を投げ、現れたさざ波を見ている様子が歌われます。河に石を投げる行為は誰もが経験していると思いますが、なぜ人は河に石を投げるのか?それは心の中の何かを捨てるためかもしれません。この歌では、捨てた石はさざ波を生みます。でも何の音も返ってきません。これも「静寂の音」なのでしょうか。

And they never made a sound
このフレーズの二人のハーモニーがとても美しい。

全4番の後半で歌われる次の3行が、いわばこの歌のサビといえる部分。繰り返されるこのメロディと詩が、私たちの中に、余韻として静かに、そして強く残ります。

And The Leaves That Are Green turn to brown
緑色の木の葉は茶色に変わり
And they wither with the wind
風と共に色あせ
And they crumble in your hand
君の手の中で粉になる

そしてきわめつけは、4番の詩、

Hello, Hello, Hello, Hello
Good-bye, Good-bye, Good-bye, Good-bye,
That's all there is
ハロー、グッドバイ、あるのはそれだけ

たったこれだけの言葉。でも、心を強く揺さぶります、、、、、・

ポール・サイモンは、本当に恋の歌として「木の葉は緑」を書いたのでしょう。でも、私はこの歌は、「時」をうたい、日々年老いていく人生の「寂しさ」をも暗にうたっているのだと思っています。


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