No.8 中央アルプス 木曽駒ヶ岳
中央にあるのに、
北や南を優先されてどうも後回しにされてしまう……
それが中央アルプスだ。
しかし
一度行けばその魅力にハマってしまうだろう。
こんなにもお手軽に行ける3000mの世界があったとは。
中央アルプスの中で最も人気が高く、初心者でも挑戦出来る3000m級の山、
それが木曽駒ヶ岳(2,956m)だ。
長野県上松町・木曽町・宮田村の境界にそびえる、木曽山脈の最高峰。
日本百名山の一つでもある。
私はある取材をきっかけに2018年から木曽駒ヶ岳の麓の村、宮田村のPR大史をしている。
その取材の前にも訪れた事はあったがその時は天候が崩れ途中で撤退。
その取材で初めて山頂に立ち歌うことが出来た。
そして登山口となる千畳敷カール(2612m)のお花畑、アルプスらしい岩稜帯に稜線歩き、山頂からの景色にたちまち恋をした。
こんなにもお手軽に十分な達成感とアルプスの美しさを感じられる山があったとは。
登山口となる千畳敷カール(2612m)までは
日本一の高低差を誇るロープウェイでしらび平駅から950mを7分30秒で一気に登ることが出来る。
950mを7分30秒だ。
景色も一変する。
例えば、
しらび平駅が曇ってたとしてもロープウェイに乗り千畳敷カールに到着する頃には雲を抜け青空が広がり、眼科には雲海……
と言う最高の景色と出会えることもある。
勿論、上に行っても雲が抜けない時もある。
しらび平駅では判断しがたいのだ。
私を含め、
奇跡を信じてどんな天気でも千畳敷カールまで行ってみる人が多いだろう。
そして千畳敷カールまでは登山者のみならず多数の観光客が訪れる。
良く考えれば千畳敷カールでも2612m。
登山をやらない人たちにはこの景色だけでも十分な感動と満足度を与えてくれる。
しかしここから約1時間40分程で3000mの景色に会えるのだ。
天候が良ければ登山者なら99%は登ることを選択するに違いない。
最初の40分の急な登りの八丁坂さえ越えれば天空の稜線歩きが待っている。
暑く長い樹林帯は皆無。いいとこ取りの最高の山だ。
ただ、ロープウェイで950mを一気に登って来た後に標高差約250mを登らなければならない。
一見、余裕だと感じるかもしれないが高度順応が全くない中で登り始めるのだ。
思っている以上に息が上がる。
出だしの八丁坂は極端にペースをあげずゆっくりと体を順応させながら登ることを強くオススメする。
そして前日の飲み過ぎや寝不足には要注意。
約40分の急な八丁坂を登り切れば浄土乗越に到着。
ここからは幸せな稜線歩きが始まる。
天狗岩も晴れていれば綺麗に顔を出してくれる。
ただ、とても天気が変わりやすく、晴れていたと思ったら急にホワイトアウトなんてことも。
そうなると簡単に迷ってしまう。
お手軽と言っても3000m峰、危険を感じたらすぐに元の道を戻り引き返そう。
ただ晴れていれば気持ちの良い天空の稜線歩き。
浄土乗越から1時間も歩けば木曽駒ヶ岳の山頂だ。
時間に余裕があれば宝剣岳のスリルも味わうのもいいだろう。
宝剣岳からの中岳の景色も最高だ。
中岳を越えればいよいよ木曽駒ヶ岳とご対面だ。
「中岳登ってやっと木曽駒かぁ〜」と思ってしまう人に朗報。
中岳は登らず巻道を通るルートもある。
しかしここは岩場に慣れていなければ素直に頑張って登ることにしよう。
危険度は巻道の方が若干上がる。
岩場慣れしている登山者には巻道がオススメだ。
現に私は岩場好きなこともあり、毎度巻道を通る。
静かで景色は申し分ないし、単純に楽しいルートだ。
そしてついに木曽駒ヶ岳の山頂。
広々と居心地の良い山頂だ。
空が近く流れる雲に手が届きそう。
PR大史になり、2年続けて開催した「信州山の日」の宮田村から登頂証明書&山頂Liveのプレゼントイベント。
こんなに沢山の人と……これ以上の人と木曽駒登山の楽しさを分かちあえたあの頃が懐かしい。
今年は新型コロナウィルス感染拡大防止の為中止。
今年は……ですめば良いが、山で歌を歌える日はもう来ないかもしれないと思うと切ない気持ちでいっぱいになる。
山を愛する登山者の皆さんとLiveで繋がった思い出は宝物だ。
お手軽の中にも、
体調や天候の面など、山の厳しさもしっかり詰まっている。
一筋縄では行かない。
それでも山頂からは北アルプスと南アルプス、八ヶ岳や御嶽に富士山、見えない山はないのでは!?と思わせる眺望が味わえる。
名峰を眺める名峰。
それが中央アルプス 木曽駒ヶ岳だ。
ここからは番外編。
冬のスノーシューを楽しんだ千畳敷カールの様子を。
雪景色もまた素晴らしい。
第二の里山。
木曽駒ヶ岳に早く帰りたい。