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宝田明さん

名優、宝田明さんの訃報が入りました。

そのニュースを聞いた時、マエストロ久保田洋よりこんなエピソードをいただきました。
それは、マエストロが大学を卒業して間もない、フリーのコントラバス奏者だった頃のお話です。



帝国劇場でシェイクスピア「真夏の夜の夢」に宝田明さんが出演された時のこと。
夏1カ月間、毎日公演が続き、しかも1日2回公演の日もありで、精神的にも肉体的にもそれそれはとても大変。

シェイクピアの劇は長く、台詞も大変に多いのですから、なおのこと。
メンデルスゾーンのオーケストラ曲を組み合わせた上演で、コントラバス奏者として久保田青年はエキストラでオーケストラに入って演奏していました。


ある日の本番での出来事。
タイターニャ役のごんちゃん(熊本弁でお嬢さんの意味らしい)こと上月晃さんを相手に演じている最中、なんとセリフがとんでしまったのです!

しかし、そこは名俳優。アドリブで『であるから、であるよ、しかるに、...である』とごまかして、相手の顔をまじまじ見るオベロン役の宝田明さん。

ところが、上月女子は可笑しくて返すセリフがなかなか出せず、笑いをぐっとこらえて『クッ、クッ、クッ』。
この一瞬をピットの中で見ていたオケのメンバーにも緊張?が走ったはずだったのですが、なぜか、こちらも笑いをこらえて『クッ、クッ、クッ』….。


長〜い一瞬のように感じましたが、とにかくそのあとは、何事もおこらず?無事幕が降りましたとさ。
舞台ならではのアクシデントですが、そんな懐かしい出来事をふと思い出したマエストロ久保田洋でありました。半世紀ほど前のお話でありました。


宝田明さんのご冥福を心よりお祈りいたします。


ところで…
帝国劇場の地下には、大きな浴場があったのだそうです。

若かりし日のコントラバス奏者久保田青年は、この浴場に上演中は誰も入らないといことを聞きつけ、長いセリフがつづく最中にドボンと湯船に...(はぁ?何て奏者!)
は〜...いい湯だなと、のんびりしていたら、なんと!次の演奏が始まってしまったとか。

慌てて浴場を飛び出した若いコントラバス奏者はピットにこっそりと入って、バツ悪く演奏に潜り込んだそうです。


...色々やらかしていたんですね。

来月4月3日には久保田洋マエストロによるこちらの演奏会がございます。
会場には浴場もないので大丈夫。

珠玉の宗教音楽もりだくさんの演奏会です。
ソプラノ中村初惠さんの独唱をはじめ、弦楽の響きと合唱のハーモニーをお楽しみください。

ミクロコスモス主催「春のコンサート」
2022年4月3日(日)14時開演 (開場13時半)
東京都北区赤羽会館 講堂

徹底した感染対策の下で実施いたします。
ご来場をお待ちしております!

チケットはこちらからお求めいただけます!

演奏会についてのお問い合わせはこちらにどうぞ♪
ミクロコスモス
☎︎ 090-8039-5205
📩 micro@mub.biglobe.ne.jp


最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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