ドラゴンのエッセイ 夢の話②
前回は「よく見る夢」というタイトルでしたが、実際はこの夢をよく見るわけではないんです。正確に言うと、ストーリーが繋がっているこの夢を見たのは一度きり。今もたびたび見るのは、DVDのチャプター分けのように断片的で、繋がっていないけど同じストーリーの夢。これは「よく見る夢」と言っていいのか? とは思いますが、みなさんも夢の続きは気になると思うのでお届けしましょう。
前回のあらすじ
親友のNさんと長いこと会えていない俺。あまりにも寂しいので、ある時期に見たNさんと一緒に俺の妄想を実現するという夢のことをエッセイとして連載してみることにした。
夢の内容は「親友のNさんとユニットを組んでライブツアーを回る」というもの。前回はツアーするのに必要なアルバムの収録曲や特典映像の内容を話し合って煮詰めたところで目が覚めた。
ちなみにNさんとは先日1週間ぶりに連絡がついて、寝込んでいることが判明した。まだしばらく会えなさそうだ。俺たちの関係にとって最大の試練である。
アルバム企画始動
翌日見た夢は、俺とNさんがカラオケルームに集まるというところから始まった。前回の打ち合わせで決めたアルバムの特典映像「スペシャル対談」を収録するためだ。Nさんとは俺の家かカラオケでしか会っていないので、リラックスできるカラオケルームで喋り倒そうということになったのだ。
撮影日はユニット結成とツアー開催、アルバムリリースが発表された当日。まだMV撮影はおろか楽曲のレコーディングすら済んでいない状況のため、雑誌のインタビューのような質問事項(結成理由や2人の出会い、音楽センスについてなど)に2人で会話しながら答えていくという形式だ。具体的な会話内容は覚えていないが、俺が「これってまるでラジオじゃね?」と言って2人で笑い合ったシーンは今でも経験談のように思い出すことができる。本当に不思議な夢だ。
レコーディング
情報解禁も済み、出来たてホヤホヤのユニット「D&D」としての初の活動も終えた。アルバムに入れる曲も決めた。次にすることはレコーディングである。
これは通常のアーティストならありえないことだが、俺たちはお互いのボーカルを相方がチェックするという方式でレコーディングをしていった。たまに1人ずつで別室に入って、曲を選んだ理由や相方のボーカルに何を求めているか等をカメラの前で語る。これも特典映像用である。レコーディングドキュメンタリーなので、スタジオに入る瞬間からカメラが回っているのだ。
と言ってもダメ出しのような指摘を受けるのはほぼ俺だ。なNさんのボーカルに対する俺のリアクションといえば「いいね!」か「最高!」のどちらかという何とも見応えのない感じになってしまった。ただこれも鮮明に覚えているのだが、俺の選んだ楽曲についてはレコーディング前に歌詞やサウンドの解釈をガッツリ話し合った記憶がある。
ソロ曲レコーディング
中でもお互い一番苦戦したのがソロ曲だ。Nさんが俺に歌わせたがったのは「可愛くてごめん」。俺のイメージとかけ離れているから、というのがその理由だった。もちろん戸惑いはあったが、これはこれで面白いと思えたのだった。
一方俺がNさんにリクエストしたのは亀梨和也くんの「離さないで愛」という曲。彼女は堂本剛くんが大好きだったので、俺が一番カッコいいと思った剛くんが制作した曲をリクエストした、というわけである。この曲が収録され、MVまでついた「Dead or Alive」の初回限定盤2のCDまで渡していた。
ソロ曲に関してはお互いこだわってプロデュースした分、納得できるものができるまでかなり時間を要したのだ。やっと全曲のレコーディングが終わったところで、その日は目覚めた。
次回予告
小説のようだが、実際に俺の記憶にある夢の話である。
次回は3日目に見た夢、MV撮影について書いてみよう。
いやしかし、我ながら映画みたいな夢を見たもんだな。