【ドラゴンのエッセイ】SMAPファンになるまで
過去2回書いてきた「ジャニーズを好きになるまで」が結構好評だったので、味を占めて今度は各グループを好きになるまでを徹底的に掘り下げようと思う。今回はSMAP編だ。
SMAPを知る
嵐からジャニーズファン人生を始めた俺だが、事務所のことを知る前の幼少期からSMAPはグループとして認識していた。
俺が子どもの頃というのはSMAPが定期的にミリオンヒットを出していた時期で、老若男女誰もが知る国民的アイドルグループになっていったタイミングだった。俺もリアルタイムから少し遅れて慎吾ママにはお世話になった(学校の放送でめちゃくちゃ流れていた)。
そういうわけで香取慎吾くんは幼少期から知っていたし、木村拓哉くんも主演ドラマの再放送が朝夕問わずやっていたのでスーパーイケメンとして認識していた。母が「仰天ニュース」のファンだったので中居正広くんのことも早くから知っていた。
ベテラン
彼らは俺が2歳の時点でデビュー10周年。嵐ファンになった頃には20周年が間近に迫っていた。そうなるとSMAPは、当然嵐よりもかなり年上になる。当時の俺は嵐の「勢いのある若者たち」という雰囲気に憧れていたので、「SMAPってオッサンじゃん」と思っていた。今から考えるととんでもなく失礼な話である。
その認識を改めるきっかけになったのが「SMAP×SMAP」だった。
スマスマ
スマスマを録画リストに加えた動機はよく覚えていない。当時はやっと手に入れた録画機に興奮していて、とりあえずジャニーズの番組は全部観てみよう! くらいの軽い気持ちだったと思う。
番組の中で特に俺を虜にしたのが歌のコーナー。SMAP5人だけでグループの曲を歌う時もあれば、ゲストアーティストを招いてコラボパフォーマンスをすることもあった。俺が観ていた時期は、コラボパフォーマンスの方が圧倒的に多かった記憶がある。
スマスマに触れるまでの俺の彼らに対する印象は「歌が下手な人たち」であった。中居くんのバラエティーモードにすっかり騙されていたのだ(笑)。
ところが実際には、SMAPはめちゃくちゃカッコいいのである。歌ももちろん想像より上手かったし、何よりも「余計な体力を使わずにクールに魅せる方法」を全員心得ている感じがした。中学生当時にここまで細かく分析できていたわけではないが、「この人たち、嵐よりカッコいいかも」と思っていた。そして「嵐も10年後はこうなっていてほしい」と思うようになっていった。
孤高の存在
SMAPはジャニーズの中で孤高の存在だった。Mステのスペシャルなどに後輩と一緒に出ることはあっても、大晦日のカウントダウンライブに出ることは解散までついになかった。スマスマでコラボしたことがある後輩もKinKi Kids、山下智久くん、KAT-TUN、Kis-My-Ft2、SexyZoneくらいで、明らかにコラボ相手を選んでいる感があった。
それも俺にとっては「好き」を加速させるポイントになった。スマスマで感動してから数日後にはTSUTAYAで何作かアルバムを借りていて、楽曲のカッコよさはもちろんだがその提供陣にも驚いた。久保田利伸さん、椎名林檎さん、太田光さんと久石譲さん、昔の作品には忌野清志郎さんの名前まであった。音楽の知識がなくても、めちゃくちゃ豪華な人たちだということは分かった。そしてアルバムでここまでの提供陣を集められていたのは、当時のジャニーズだとSMAPくらいしかいなかった。その事実がより「孤高の存在」感を高めていたと思う。
初めてのBlu-ray
録画機を入手して、Blu-ray Discというものが見られるようになったことは分かっていた。ただ当時は俺も家族も「DVDと何が違うんだ」と思っていた。
どうやら画質や音がDVDよりもいいらしいという噂を目にし、「それなら見てみたいかも」と思っていた頃、「Mr.S "saikou de saikou no CONCERT TOUR"」のリリースが発表された。
当時は嵐もBlu-rayをリリースしていたが、まだDVDが優勢の時代だった。初回盤特典がDVDにしかついていないということが結構あったのだ。その点SMAPはDVDとBlu-rayで映像や封入物に差はなかったし、おまけに値段も同じだったので人生初のBlu-rayを購入した。
Blu-rayというものに興味があったのだろう。母も一緒に初めてのBlu-rayを見た。
あの頃の自分のことを殴ってやりたくなった。何が違うどころの話じゃなかった。特に映像がびっくりするほど綺麗だった。そのライブの演出が色をたくさん使ったものだったというのもあって、親子2人で感動した。
「次にライブがあったら絶対にBlu-rayを買うぞ!」と意気込んでいた。SMAPのライブは基本2年に1回で、次のタイミングはデビュー25周年と重なる予定だったのだ。
そして今
アニバーサリーライブを待ち望んでいた頃、解散騒動が始まった。そしてデビュー記念日を目前に、正式に解散が発表された。
解散前最後にリリースされたベストアルバムとミュージック・ビデオ集はもちろん購入した。MV集はもちろんBlu-rayだ。
その後自分で購入したり、父の友人の方が譲ってくれたりしてかなりの作品が俺の手元に来てくれた。DVD/Blu-rayは6枚あるし、アルバムは「La Festa」、「SMAP 016/MIJ」を除いて全部ある。ライブ作品はあと1枚くらいほしいと思っているが、俺としては運にかなり恵まれたなぁと思っている。
解散後の拓哉くんや慎吾くんのソロアーティスト活動も最初は追いかけていたが、「やっぱりSMAPじゃないな」と感じて徐々に入手意欲が減っていった。
おそらく俺は一生「SMAPファン」でい続けるのだろう。野暮と言われるかもしれないが、SMAP復活を待ち続けるだろう。そしてもしそれが実現すれば、俺のSMAPファン人生も間違いなく再スタートする。