ドラゴンのエッセイ eighterになるまで
好評企画第3弾! 今回は俺がeighterになるまでを語っていく。
出会い
関ジャニ∞というグループとの出会いは、嵐ファンになってすぐ訪れた。エイトは一時期、嵐メンバーが主演のドラマに脇役で出演することが非常に多かったからである。最初に嵐とエイトの共演を見たのは「ザ・クイズショウ」。主演が櫻井翔くんで、2番手に横山裕くんがいた。なので俺がエイトのメンバーで最初に認識したのも横山くんということになる。もちろんこの段階では横山くんと関ジャニ∞というグループは結びついていない。
本格的にグループを認識したのはそれから3年後くらい。どうやら個人と個人の共演のみならず、嵐の番組にエイトが全員でゲスト出演する機会が多いらしいということを知った。それでいくつか見てみたらどれも「俺らが嵐のポジション奪ったるからな!」というスタンスで対決していた。当時小学生の俺はエイトの態度を間に受け、さらに嵐が「かかってこいよ!」みたいな態度をとるものだからエイトは嵐の敵なんだと真面目に思っていた(笑)。
そんな状態からeighterになるきっかけをくれたのは、お互い「相棒」と呼び合うほど仲がよかった友人だった。
初聴きのインパクト
その友人は錦戸亮くんのファンだった。俺はまだ嵐一筋だったものの。当時からジャニーズ全体に詳しかった(少なくともその友人よりは)。
ある日一緒に近くのCDショップに行った時、彼からこう相談された。
「相棒、関ジャニのベストアルバムを買おうと思うんだけど、どれだか分かる?」
正直、俺には分からなかった。ベストアルバムがどれだか分からないのではなく、ベストアルバムとオリジナルアルバムの違いを理解していなかった。「ベストアルバム? 有名な曲が入ってるやつでしょ?」くらいの知識しかないのに、俺は彼に「これがベストじゃん?」と半分以上当てずっぽうでとあるアルバムを渡した。
そのアルバムのジャケ写にはしっかりとメンバー全員の顔が写っていて、「ズッコケ男道」という超有名な曲が入っていた。おまけにメンバー全員のソロ曲を収録した特典CDも付いた2枚組だ。
ここまで読んだだけでも、eighterさんなら「それはベストじゃない」と分かるだろう。俺が選んだのは「ズッコケ大脱走」という2枚目のオリジナルアルバムだった。ちなみに友人が探していたベストアルバム「8EST」のジャケ写にメンバーは写っていないし、ソロ曲も入っていない。
この文章だけを読んだみなさんは「お友だちも気づかなかったの?」と思うだろう。彼は知的障がい者で、彼もまたベストアルバムの定義を全く理解していなかったのである。
さて、そんなわけでベストでもなんでもないアルバムを掴まされてしまった友人。案の定「知ってる曲がなくてつまんない」とぼやきながら俺にアルバムを貸してくれた。俺が買った嵐のアルバムを毎回貸していたので、彼もまた自分が手に入れたジャニーズ作品を俺に貸してくれるのである。
そして初めて、関ジャニ∞の楽曲を一気にたくさん聴いた。今だから言うが、この時「8EST」を聴いていたらeighterになっていたかどうかは怪しい。理由は単純で、サウンドがカッコいい曲が多かったからである。
ベストアルバムというのは、デビューから当時の最新シングルまでを集めたものだ。そしてデビューから数年間のエイトはいわゆる「トンチキソング」が多かった。大阪をネタにしたり、おちゃらけた雰囲気の曲がたくさんあったのだ。それを先に聴いていたら俺はエイトを「お笑い集団」と認識してしまったことだろう。そうなればファンにはなっていない。
「ズッコケ大脱走」というアルバムは、タイトルに反してファンク色が強い作品だった。シングル曲はトンチキの路線だったが、それはアルバムのひとつの側面、味だと思えた。ソロ曲集に関しては歌謡曲、ストレートなバンド曲、ダンスナンバーにシングルの路線を踏襲したようなコミックソングなど、個性が爆発していた。
「このグループは、嵐とは違う意味でカッコいい」
俺のeighter人生の第一歩である。
バラエティー力の強さ
俺のeighter熱をさらに加速させたのは「関ジャニの仕分け∞」というバラエティーである。eighterさんにはお馴染みかもしれないが例えば大倉忠義くんが太鼓の達人と呼ばれるようになったり、ジャニーズの先輩を招いてその先輩の曲を間違えずに歌えるかという「ジャニーズ愛仕分け」という企画があったりした番組だ。中でも俺が特に好きだったのが、メンバーのソロ歌唱が聴けるコーナー。前述の「ジャニーズ愛仕分け」もそうだが、レジェンドアーティストの方とエイトがカラオケ採点で対決するという企画もあった。
俺がジャニーズを好きになり始めた頃はもう、歌番組が少なかった。ましてソロ歌唱をフィーチャーしてくれる番組なんて民放には皆無だったと思う。もうその時点で掴まれた。
そして彼らのバラエティー力を語る上で欠かせない存在が村上信五くんだ。バラエティー番組で喋ることによって笑いを取ることは他の人でもできると思う。でも、自分のソロ曲をネタに笑いが取れるのは村上くんだけじゃないだろうか? 俺としては村上くんのソロ歌唱が好きなので少々複雑な気持ちになったのは否定しないが、それでも彼のバラエティー力はひとつの才能だと感じた。
こんなふうに考えている時点で、俺はすでにeighterになっていた。
2019年
俺のeighter人生で最大の衝撃があったのがこの年。前年にメインボーカルだった渋谷すばるくんがグループを脱退し、6人体制になった。その頃から不安な気持ちはあった。
「錦戸亮も退所か」
こういった内容の記事があらゆるところから出た。こういう時俺というeighterは、完全スルーするということをできない人間だった。どんなに憶測っぽい感じがしてもとりあえず読んでしまう。そして少なからずショックを受ける。SMAPの解散、すばるくんの脱退、嵐の活動休止と俺にとってネガティブなニュースが続いてメンタルが限界だったのだろう。
だから正式に錦戸くんの脱退が発表された時には、正直ちょっとホッとした。これでもうヤキモキしなくていいんだ、と。
現在
俺は錦戸亮という個人が好きだ。渋谷すばるという個人も好きだ。SUPER EIGHTというグループももちろん好きだ。でもやっぱり、今挙げた7人が全員揃った「関ジャニ∞」というグループが一番好きで、関ジャニ∞に所属する錦戸亮が好きなんだと最近気づいた。
だから今は、自分がeighterを名乗っていていいのかという迷いも正直ある。でもエイトは、抜けていったメンバーのことを忘れなくていいと言ってくれた。だから俺はもう迷わず、自分の気持ちに正直に生きようと決めた。だから俺は当面はeighterで、錦戸くんとすばるくんのことも好きでいる。俺は他のeighterさんのスタンスを否定しようという気は毛頭ない。だから俺みたいなeighterがいることも認めてほしいと思っている。