【無料公開】推しの作品を語る「COOL」/SMAP
約束を果たします。今回から定期的に「推しの作品を語る」の無料記事を公開します。総数は20本以上にはなる予定です。気に入っていただけたら、ぜひ有料記事の方もチェックしてくれると嬉しいです!
記念すべき初回のテーマは、SMAPの初ベストアルバム「COOL」。概要と全楽曲解説をしますのでぜひお付き合いください!
アルバム概要
SMAP初のベストアルバムで、収録楽曲はファン投票を元に決定されました。全14曲のうち1曲が新曲、2曲がオリジナルバージョンでの収録、残り11曲はなんらかの変更がなされています。つまり12曲はこのアルバムで初出しの音源ということになります。
それではここから、各楽曲の解説をしていきます。
M1 雪が降ってきた
打ち込み中心だった原曲から、生演奏にリメイク。ちなみにこの演奏リメイクはニューヨークのスタジオミュージシャンを起用して行われています。
特に変化が大きいのはドラム。原曲ではシンプルなリズムを単純にループしている感じでしたが、今回の音源ではしっかりメリハリがついていて聴きごたえがあります。
アウトロのストリングスも追加され、全編通してドラマチックになっています。
M2 ずっと忘れない
この曲も演奏リメイク。どこがどう変わったかと言われると説明は難しいですが、やはり打ち込みから生演奏になったことによって曲全体がダイナミックに進化しています。
この曲では間奏に、原曲にはなかったピアノソロが追加されています。その影響もあって演奏時間は延びていますが、決して間延びした印象にはなっていません。このアルバムリリースから少し経った頃に木村拓哉くんが「彼らの演奏に僕たちのボーカルが乗っていることについて罪を問われたら、自分たちは終身刑ものです」と語るのも理解できる気がします。もっとも、私は音楽に詳しいというわけではないのですが。それでも「この演奏はすごいぞ」というのは感覚で分かります。
M3 はじめての夏
この曲は元からバンドっぽいなという印象を持っていたので、演奏リメイクがとてもしっくりきました。原曲よりもすべての楽器の「音の輪郭」がはっきりしていて、インスト(歌がない演奏だけの楽曲)でも聴けるような良質な音楽に進化しています。
M4 話をしていたくて
この曲は初出がカップリングです。なので私はオリジナルがどういう雰囲気だったのかは知りません。しかしWikipediaなどを参照してみると、この曲にも演奏リメイクの文字が。確かにリズム隊(ベースとドラム)の音がやけに気持ちいいハマり方(ずれ方という表現もできるかも)をしています。機会があればオリジナルバージョンも聴いてみたいですが、今からだとちょっと難しいかも。いずれにせよカッコよくて大好きな曲であり、アレンジです。
M5 君は君だよ
演奏リメイクはもちろんですが、この曲はアレンジも若干変更されている模様。イントロの打ち込み楽器だった部分がコーラスに変更され、エレキギターなども入ってはいますが全体的には讃美歌のような印象になっています。アウトロのトランペットの音もかなり印象的です。
M6 君色思い
冒頭の中居正広くんソロパートの直前に、コーラスが追加されています。
この曲はもともとサックスの音が存在感を放っていましたが、今回はそのサックスの音だけ生音に変更。それ以外の楽器がすべて打ち込みであることで、サックスがより際立つアレンジになっています。
M7 笑顔のゲンキ
これは原曲の面影が全くありません。アレンジャーが変更され、完全なる別アレンジになっています。
原曲はまだ幼さが残る印象でしたが、今回はしっとり聴かせるジャズアレンジに変更。譜割りも異なるので当然再レコーディングされていて、ボーカルも大人っぽくなっています。例えるなら、夜のバーでかかっているジャズという感じでしょうか。
M8 DON'T CRY BABY
演奏全面リメイクプラスボーカルも再レコーディングされています。
この曲はデビュー1年目のファーストアルバム収録曲だったので、ボーカルの成長ぶりが印象に残っています。特に中居くん以外の3人は一気にボーカルが安定した印象です(中居くんは最初からある程度安定していました)。変声期前と後の差を感じられる楽曲となっています。
M9 かなしいほど青い空
こちらも全面リアレンジ、再レコーディング曲。さらにジャズアレンジという点も共通しています。
ニューヨークのスタジオミュージシャンと書きましたが、この方たちはスティービーワンダーやマイケルジャクソンのレコーディングに参加したメンバーです。その方々の演奏を存分に堪能してもらうため、即興性の強いジャズアレンジを選ぶというのはとてもよく分かります。
先ほどの「笑顔のゲンキ」が夜のバーでのジャズなら、こちらは夜のドライブでのジャズといった雰囲気です。
M10 君が何かを企んでいても
これもボーカルまで再レコーディングされている気がします。優しい雰囲気の中にも生楽器独特のグルーヴ感があって、それに対応してボーカルも大人っぽくなっている印象を受けます。特にラストサビ、中居くんソロパートは要チェックです!
M11 $10
リアレンジされているものを除いて、一番変化が大きいと感じたのがこの曲。木村拓哉くんと森且行くんのメインボーカル2人が歌に飲まれていないというか、この曲を自分のものにしつつある感じがします。原曲のボーカルよりも歌い方に余裕があって、楽しそうにレコーディングする姿が目に浮かびます。
M12 Hey Hey おおきに毎度あり
ここから2曲はシングルバージョンでの収録。そしてこの曲はシングルバージョンアルバム初収録です。ずっと生バンドのグルーヴ感溢れる演奏が続いていたので、ここで謎の安心感が生まれる気がします(笑)。
この曲はSMAPのシングルの中でも異色というか、唯一三枚目路線で行った曲です。今回のアルバムで初めて(しかも唯一)1曲の中にメンバー全員のソロパートが登場しますので、今のスタイルとは多少違うところもある歌い方を聴き比べるのも面白いと思います。
M13 がんばりましょう
このアルバムの中で一番一般認知度が高い曲といったらおそらくこれでしょう。この曲も全編打ち込みです。そしてアルバム初収録です。
この曲だけを聴くとそこまで「音」に意識は向かないと思います。しかし、ここまで生バンドメインの楽曲が多かったため「SMAPの音楽の振り幅」を強調することに成功しています。この曲は何度もベストアルバムに収録されていますが、各アルバムの曲順ごとに同じ曲でも全く違う印象になることがあります。ぜひこの作品の「がんばりましょう」と他のベストアルバムの「がんばりましょう」を聴き比べてみてください。印象が違うはずです。
M14 過去の人
このアルバムでしか聴けない新曲。
サウンドは打ち込み主体で、メロディーラインなどどことなくマイケルジャクソンを感じさせるカッコいい曲です。
しかし歌詞は、いきなり終わってしまった恋を引きずっている男性が主人公。私の印象としてSMAPの曲は「音がクールになればなるほど歌詞がちょっとダサい」というのがあるんですが、まさにその通りの曲です。「男らしいのは女のほう」とかちょっと笑えます。そういう歌詞を少し気だるそうに歌うSMAPもクールです。まさにアルバムタイトルの通りです。
まとめ
SMAPはベストアルバムが多く、この作品にも他の作品と重複している曲も多いです。しかし生演奏によるリメイクがされているのは今作と次作まで。「もうこの曲が入ったベスト持ってるし」と思わずに、ぜひ聴いてみてほしいアルバムです。
音楽に詳しくなくても、演奏の素晴らしさはなんとなく分かるはずです。そしてそれが「グルーヴ感」というやつです!
今後について
最後に、無料公開企画の今後について。
原稿の分量が多いので不定期にはなりますが、今後も私が所有するベストアルバムについての記事は順次無料公開していきます。ベストアルバムに関する記事を見て興味を持って頂けたなら、有料記事も覗いてくれると嬉しいです!
次回は、TOKIOのベストアルバム「HEART」について語ります。アップ予定日は明言できませんが、確実に上げますのでしばらくお待ちください。