新しいゲームを考えてみた
まえがき
ゴールデンウィークが終わったくらいの頃に、ある女性のフォロワーさんから依頼がありました。
「ドラゴンくんならできると思うからお願いします。少人数でも大人数でもできるような、新しいゲームを考えてほしい」
正直、いきなり突拍子のないことを言い出すなぁ、と思いました。ですがよくよく話を聞いてみると、「新しい合コンゲームを提案したい」と言うのです。しかも、しっかり頭を使うものがいいという条件つき。それを聞いて私が出した答えはこうです。
「結構時間かかってもいいならなんとか考えてみる」。私も考える作業が好きだったから依頼を受けることにしたわけです。1ヶ月以上かかったけれど、なんとか形にできたと思います。
この記事では、私が考えたゲームのルールと、どんなふうにして楽しむのかということを発信できたらと思います。願うことはひとつ。バズってくれたらいいなぁ。
さて、まえがきはもう少しだけ続きます。
フォロワーさんから出された条件はもうひとつありました。それは「相手の人間性が出るもの」。これを踏まえて、以下のルールを読んでくれたらと思います。
それでは私が考えたゲーム「アクティングアドベンチャー」のルールを説明していきます。
基本ルール
このゲームは、ある条件下で参加者全員で即興芝居をするものです。芝居をするにあたって事前に共有しておくべきルールは4つだけ。できるだけシンプルにしてみました。
ルール①
まず第一に誰かがお芝居の設定を3つ決めます。ひとつ目は演技開始時の状況、ふたつ目はチェックポイント、最後にオチです。こう書いても分かりづらいでしょうから、私が実際に考えた設定を書いてみます。
① 男性が、恋人の女性の飲み物に毒を入れ、殺害する
② 彼女は毒を飲み、1分半程度苦しんだあと、助けを求めるように男に手を伸ばすが、男の台詞に衝撃を受けながら死亡する
③ 目と口を開いたままの彼女の死体に見守られながら、男が犯行の後処理をする
いきなり物騒なのは私がミステリー好きだからです(笑)。この時設定の提示は、ひとつにつき一文まででなければいけません。最初はゲームの発案者が設定を考えるのがいいでしょう。慣れてきたら他の人にも考えてもらうという形になっていくと思います。
以降、分かりやすいように上記のストーリーを軸に説明していきます。
ルール②
ふたつ目のルールは、キャラクターを作らないこと。決められているのはあくまで設定だけです。例えば私とNさんが先ほどのテーマで演技をする場合も「自分たちがこういう状況に置かれたらどう動くか」を常に考えながら演技するわけです。このルールがあることで、相手がどういう考え方をする人間なのかということがある程度見えてくるはずです。
ルール③
事前に提示された設定以外は、すべてその場で埋めていかなければいけません。先ほどのミステリーであれば登場人物が2人なのでさほど難しくないですが、大人数になった場合でも事前に配役の相談をするのは禁止。あくまで演技がスタートしてから、世界観を作っていくのです。
ルール④
最後は、ゲームの始め方と終わり方です。最初に設定を提示した人を「監督」と呼びます。監督から設定の提示があったら、全員目をつぶりましょう。そして監督の「よーい、アクション!」の合図で目を開いたらゲームスタートです。
終わり方はもっとシンプル。最初の設定にあったオチまで到達したら監督が好きなタイミングで「カット」と言いましょう。それでゲーム終了です。
要するにこれは、全員で協力してゴールに向かうゲームなのです。演じ切ったあとは全員、達成感があるはずです。
楽しみ方
ルールは理解していただけたでしょうか? ここからはこのゲームの醍醐味を紹介しましょう。
例えば先ほどのミステリーの場合、男が恋人を殺す動機は明言されていませんよね? つまり動機も2人で作っていくということです。通常、ミステリーの犯人は明確な動機を持っていますが、このゲームの場合は犯人役でさえ動機が分かっていません。男側が「恋人が邪魔になった」という動機を用意していても、もしかしたら女性側から「私、浮気してるの」と言われるかもしれない。そこは臨機応変に対応できなければダメ。2人の会話から探っていくのです。
先ほどの設定では、②に含みを持たせました。「毒を入れる」ということは、女性に気づかれないようにしなければいけません。さあ、どうするか?
これが「毒が入っている」だったら悩まなくてもいいですよね。こういうのがこのゲームの醍醐味です。
そして実は設定③も、単に猟奇的な趣味というわけではありません。私の思惑がうまくハマれば、面白くなると思っています。
応用編
例えば友人同士でこのゲームをやる場合には、赤の他人設定でやるのが面白いでしょう。異性の友人がいるなら、今回例に挙げたように恋人設定でもいい。その場合には事前の打ち合わせで「身体に触れるのは禁止」というような条件を追加すればいいんです。設定に影響しない程度であれば多少の制約はあっていいし、その方が面白いかもしれません。
逆に合コンなど初対面の人たちでやる場合には、ある程度親密な関係を設定するといいでしょう。相手の思いがけない一面が見えたらラッキー、くらいに考えておきましょう。
また、オチをあえてざっくりさせるというのも方法の一つです。例えば合コンの設定ならオチを「はたして意中の人の連絡先をゲットできるか?」としておけば「ゲームだから」と強制的に連絡先を訊かれることもないでしょう。むしろ「これはゲームだから」ということで若干でも興味を持ってくれるかもしれません。
最後にもう一点。ゲーム終了後に反省会トークをすることをおすすめします。誰がどんな意図で動き、セリフを言ったのかを共有することで、思惑通りにいったところ、いかなかったところがはっきりします。これなら話題に困ることもないし、全員が同じゴールを目指すわけだから全員が共通の話題で喋れます。
まとめ
以上が「アクティングアドベンチャー」の説明です。ちなみに名前の由来は、縁起を駆使してゴールに向かって冒険(アドベンチャー)していくということからです。ダサいという意見は、受け付けません。
それに実を言うと、現状このゲームは机上の空論なんです。実際にやってみたことはありません。そこで、親友Nさんに協力を仰ぎました。
夏が終わるまでに、Nさんとこのゲームをやってみます。最初に提示したシンプルなミステリーの設定で。
アドリブ芝居という前提は少し崩れますが、第三者とやってみることによって問題点や面白い点が浮かび上がってくるはずです。結果はもちろん、記事で報告します。
もちろん、私がやってみる前にみなさんがチャレンジしてくれても嬉しいです。疑問点などあれば、この記事のコメントで質問していただければ答えます。
ゲームを作ってくれと言ってきたフォロワーさんへ。
死にものぐるいで考えました。ぜひ楽しんでね!
8月1日追記
自分の小説の冒頭シーンを再現実験してみたかったのと、ゲームの相手をしてくれるNさんに少しでも情報を与えたくて、当初の設定から結構追加しました。実際はここまで細かいとやりづらいかもしれません。