機材紹介Vol.8 Ibanez QX527PB
どうも、シングルコイル信者だったはずのkです。
ご覧の通りです。7弦です。初です。おまけにヘッドレスです。
マヨ、セミアコと来ての7弦で、気付けば手持ちのギターはハムのギターが一番多くなってしまいました。かつてFender系ギターでカッティングするしか能がないあまり、軽音部の先輩に「チャカチャカチキン」の烙印を押された男の買い物とは思えません。一体何をやっているんでしょうか。
というわけで今回はエセDjentleman(死語)なりかけの雑食ギタリストによる7弦レビューでございます。多弦勢もそうじゃない勢も集まれ~☆
■出会い
2022年5月29日
この日はギターとは全く関係ないオタ活で秋葉原巡礼に参ったわけなんですが、お目当てのオタクショップは入場規制だわ外が異様に暑いわ、散々な目にあったので、とりあえず避暑がてら最寄りのリボレ秋葉原にIN。丁度Deviser商談会製品も入荷してたしね。
~1時間後~
仕方なかったんです。入荷すれば即売れしちゃうこのギター、ただでさえお目にかかる機会が少ないんですが、値札すらついてない状態で置かれてたのを発見して店員さんにお声がけしたところ、なんと訳あり品として値下げが入った直後。そんなんできひんやん普通。
そんなこんなで気づいたらお手元に。かつてこのブログで「いつか多弦を手にした時云々」みたいなことを書いていましたが、こんなに早くその時が来るとは…
■スペック
公式から引っ張ってきたスペック表はこんな感じ。
neck type:Parallel Wizard-75pc Roasted Maple/Bubinga neck
top/back/body:Poplar Burl top Nyatoh body
fretboard:Roasted Birdseye Maple fretboard Mother of Pearl Step off-set dot inlay
fret:Jumbo Jescar EVOgold™ frets
number of frets:24
bridge:Ibanez Mono-Tune bridge
string space:10.8mm
neck pickup:Q58-7 (H) neck pickupPassive/Ceramic
bridge pickup:Q58-7 (H) bridge pickupPassive/Ceramic
hardware color:Cosmo black
個人的なこのギターの最大の推しポイントはなんと言っても唯一無二のポプラバールトップ。
この風化した古の龍の身体を彷彿とさせる風体、堪らねぇ… 表面はところどころに凹凸があり、サテンフィニッシュと相まって、無機質な雰囲気と地の木材が醸す有機的な温かみが絶妙に融合しています。
ここに近未来的な金属パーツ群が組み合わさることで「神機」とも称すべき神聖さを演出。そう、これはモンハンではなくGOD EATER。Ibanezはバンダイナムコなのです。マジで何を言ってるんだこいつは。
指板もプレーンなメイプルでなく、焼きバーズアイ指板ということでトップ材との親和性は◉ トップ材といい、本当にこの価格で手に入って良い外観じゃないんよ…(ちなみに冒頭の「訳あり」ポイントがここで、本当に若干だけど指板が欠けてる部分有。なお全くもって気にならない模様)
フレットも合金の特殊仕様で、鈍く光るさりげないゴールドが洒落乙です。
あと私このブログ書いてて初めて知ったんですが、このネック、補強材にブビンガ使われてるんですね… 贅沢過ぎる。
ローステッドメイプルと併さった5ピースネックですね。ブビンガも硬い材ですし、7弦とはいえちょっとやそっとじゃ動きそうになく、非常に安心感があります。
ちなみにバックに使われているニャトーなる材は初めて聞きましたが、マホガニーの代替材として使われているようです。確かに木目の雰囲気は似ていますね。
■使用感
難しいパートきました。このギターのプレイアビリティに関しては7弦であることやヘッドレスであること等、複合的に考える必要があると思いますが、個人的には概ね扱いやすい且つハイコストパフォーマンスなギターと感じています。
まず本当に軽い。ストラトの比じゃない軽さで、ついつい手に取ってしまいます。随所に施されたコンター加工も勿論軽量化に貢献していますが、ヘッドレスの一番の恩恵はここでしょうね。練習やライブで長時間構えていても苦にならなさそうなので、6弦モデルであれば割と真面目に初心者にもお勧めです。落ちるヘッドが無いのでボディバランスも完璧です。
次に特徴的なのがスランテッドフレット。全フレットが低音弦側に向かって8度角で均等に傾斜しており、クラシックフォームでの演奏時に左脇にスペースが生まれ、手首への負担を軽減してくれています。
私は6弦演奏時には基本的にシェイクハンドで指板を握り込むタイプのギタリストなのもあって、適応ができるか、という点で購入時に一番迷いが生じたポイントでしたが、結論意外と気にならないです。そもそもこのギターで握りこむようなフォームの曲を弾かないんですよね笑
このギターは高いフォームで構えることが多いので、立って弾くことでより恩恵を感じやすい仕様だと思います。
最後にネックです。写真の通り、カット加工のお陰でハイフレットへのアクセスも良好で、Ibanezらしい薄さはキープしつつもやっぱり7弦、流石に横幅があります。
が、仮にシェイクハンドで抑え込むような場面があったとしても、strandbergのbodenみたいな台形ネックではないので、そこまで無理のあるフォームにはなりません。丸太みたいな太さのネックがもたらす吸着感に慣れている方は、薄さに関しては好みが分かれるところかもしれません。
一つどうしても手間に感じてしまうのがチューニングですね。ブリッジ側で行うんですが、右手で弦を鳴らしながら左手でペグを弄る、という慣れ親しんだ動作ができないんですよね…笑 どれくらい回したかの加減も掴みづらいのも地味にペインポイント。まぁ目を潰れる範囲です。
■音色
気になるサウンドですが、一番のポイントは幅広い音作りを実現するアッセンブリーですね。
まず5Wayセレクターで幅広いハーフトーンが作れるのですが、そこにスイッチが加わることでシングルコイルのタップに切り替わり、合計10種類のPU配列を使用できます。
このパワータップモードがまぁ便利で、クリーントーンを鳴らした際のハムとシングルの音圧差を極力減らしつつ、キレのあるシングルコイルサウンドを実現できます。スラップ目的で7弦に手を出した民としては最高にありがたく、ゲロゲロしたニュアンスの音を出しやすくて重宝しています。勿論タップ時はノイズが増えるので、ガッツリ歪ませるときはスイッチはオフにしています。
クリーントーンはIbanezらしいコンプ感も感じられるモダンなサウンドにまとまっており、非常に扱いやすい音色と感じます。前述の仕様のお陰でシングルコイルのサウンドに説得力があるのも使いやすさを後押ししています。
歪みはMayonesとの比較感になりますが、若干粒が荒めでハイが暴れるような印象を受けました。オリジナルPUの仕様なんでしょうか?ここは他の7弦とも比べてみたいところです。
このギターで主にやりたかったのはTosin Abasi的なスラップなんですが、これまで手が出せなかったゴリゴリしたDjentyなリフを弾くのにも持って来いですね。練習しないと…
■総括
このモデル、最近ichikaさんの手持ちに加わったこともあって注目度はますます高まっているんじゃないでしょうか?
ハイエンド製品が主流な7弦市場ですが、リーズナブルな価格帯でこのデザインとサウンドメイクのバリエーションに取り回しやすさまで兼ね備えたギターが手に入るのって、冷静に考えて凄まじくハイコストパフォーマンスです。一石どころか百石くらい投じてますよね。初めての多弦にはピッタリなモデルと自信をもって推せます。
いよいよギターが増えまくってますが、等しく平等に愛でれるように私もオーナーとして精進しないとですね。
いつかこのギターでゴリゴリDjentバンドできますように!!!
<参考リンク集>
こんなこともやってます(不定期になってしまっている…猛省…)↓