名曲927 「夢をかなえてドラえもん」【mao】[ドラえもん]

ーー新ドラは任せた。そう思えた最強テーマソングーー

【夢をかなえてドラえもん】

夢をかなえてドラえもん - YouTube

 忘れもしないドラえもん最終回。いや、厳密にはリニューアルなのだが子どもの私にとってそれは最終回を意味していたといっても過言ではなかった。あんなに思い入れが強かったドラえもんがいなくなってしまう。親同然ともいえたドラえもんが。それだけでなくのび太、ジャイアン、スネ夫、しずかちゃんも。

 大山のぶ代が声優を務めていた時代、それがいまも私の血となり肉となり自らの感性を育ててくれた。2005年、水田わさびバージョンになったときは、それはそれはもうつらかった。怒り狂った。おいおい大袈裟なとお思いかもしれないが、適切な言葉を挙げるとするならばそれになる。

 何が許せなかったかというと、まずはオープニングだった。それは今回の曲の前身になる「ハグしちゃお」なのだが、いわゆるドラえもんのテーマソングではなかったのだ。まずねえ、子ども向けなのに「ハグ」はあかんよ。当時幼かった私も直視できなかった。それにねえ、おっと、閲覧注意と書くのを忘れていた。

ハグしちゃお TV.ver - YouTube

 この映像の前半部分の変顔集。当時は変顔が流行っていたのかもしれないが、まあ引いた。それでいてちょっと全体的に滑っているのである。そして極めつけは「ドラえもん」のドの文字すらもない。夏川りみには申し訳ないが最悪だった。これでもう新ドラは終わったと。当時子どもながらにそう思ったのだった。

 時は流れ、見放した2007年ごろに転換期が訪れた。それはオープニング交代。そして新たに流れたそれは、もう私が待ち望んでいたかのような王道オープニングであったのだ。

ドラえもん OP 4画面 - YouTube

 制作には相当な苦労があったと思われる。何せそれまでの「ドラえもんのうた」があまりにも強すぎたからである。当時はドラえもんと聴けば未だにリニューアル後であってもその歌が多くの人の頭に流れていた。はず。

 だがそれに代わる曲がついにできた。そう思えた。メロディーも歌詞も満点。堂々の満点である。ああ、これで新ドラは大丈夫だ。私は安心し、いつしか敬遠していた新ドラも見るようになった。それほどオープニングというのは大きかったのだ。

 なお、「ハグしちゃお」はドラえもんにとっても夏川りみにとっても黒歴史扱いになっているようである。個人的にはもう復活しないでほしい。まだ星野源のほうが500倍いいしなあ。

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