名曲318 「夜明けのマイウェイ」【パル】
ーーザ・70年代の落ち着いた名曲ーー
【パル/夜明けのマイウェイ (1979年) 視聴No.6】
70年代の曲はテンポがいい。ゆったりシンプルなメロディーこそ現代人に必要な要素ではないだろうか。ゆとりがない日本人と揶揄されているのは、音楽のせいもあるかもしれない。ちゃっちゃかちゃっちゃか複雑で激しいメロディーが主流になり、それを聞いているうちにせかせかせわしなくなってしまったと。
というのは置いといて、今回紹介するのは私のお気に入り70年代ソングだ。パルの歌う「夜明けのマイウェイ」。ドラマ『ちょっとマイウェイ』の主題歌として流れた。何人か50代の人に聞いたところ、知っている人は30%くらい。ちょっと隠れているか。
{悲しみをいくつかのりこえてみました ふり返るわたしの背中に まだ雨が光ってます 走っている途中でときおりつらくなって ふりかえりあなたの姿を 追いかけてみもしました}
敬語体なのが味がある。作詞作曲は荒木一郎。きっと当人が歌うとどんよりとした曲調になっていただろう。
{でも夜はもうじき明けてゆきます 今迄と違う朝が ガラスのような まぶしい朝が 芽生え始めています}
両手を腰に当ててゆらゆら踊りたくなるような。いかにも当時の味が出ているサビだ。コーラスの出来は非常に秀逸。パルは全然知らなかった。ちなみに私は上の動画の、左から3番目の顔の男が「時代~~~」と感じて好みである。めちゃくちゃ70年代感がある。
{悲しみをいくつかのりこえて来ました ふり返るわたしの後ろに ほら虹がゆれてるでしょう}
{だからもうわたしは大丈夫です 今までと違う夢が 次第次第に 心の中にあふれ始めています}
失恋ソングでも明るく歌う。これこそ私の大好物だ。どこか前向きになれるのはいい。表現も絶妙だ。ちょっとした希望が湧いているくらいでいい。無理をしていない。
{もう昨日は昨日 明日は明日 今迄のことは忘れ 花びら色のさわやかな日を 迎え始めています}
{悲しみをいくつかのりこえて来ました ふり返る 私の向うに 青空が見えてるでしょう}
{だからもうわたしは大丈夫です 今までと違う夢が 次第次第に 心の中にあふれ始めています}
あっという間に終わるのも時代だ。このシンプルさがほしい。この曲調だけで勝負できると踏んだ荒木一郎、現代のわけわからんごちゃごちゃした曲にいってやってくださいな。転調は自信のなさの表れだと。……ちょっと今回はお怒りモードになってしまった。
【今日の名歌詞】
だからもうわたしは大丈夫です 今までと違う夢が 次第次第に 心の中にあふれ始めています