名曲460 「リフレインが叫んでる」【松任谷由実】
ーー不安な心情が容易に想像できる伝説のメロディーラインーー
【松任谷由実 - リフレインが叫んでる】
久しぶりに松任谷由実の曲から。今回紹介するのはマイ松任谷由実ソング好きな曲選手権で毎回上位に入る神曲である。実はもうすでに取り上げていたと思っていた。まだ知らない方はぜひぜひぜひ聞いてほしい。
{どうして どうして僕たちは出逢ってしまったのだろう こわれるほどに抱きしめた 最後の春に見た夕陽は うろこ雲照らしながら ボンネットに消えてった}
まずは序奏から。てってってってっとピアノが水平線を駆け巡る。このテンポはどこか不安や焦りを装っているような旋律で、非常によくできている。これがリフレインを表現しているのか。
{引き返してみるわ ひとつ前のカーブまで いつか海に降りた あの駐車場にあなたがいたようで}
{どうして どうして私達離れてしまったのだろう あんなに愛してたのに 岬の灯冴えはじめる 同じ場所に立つけれど 潮風肩を抱くだけ}
前日に続いて至高のサビ。これは松任谷由実界隈でもトップクラスではないだろうか。冒頭と違って重厚感あふれるサウンドが楽しい。冒頭のは冒頭で空虚感があり、よい。
{夕映えをあきらめて 走る時刻}
イヤホンでぜひ聞いてほしいところ。戦慄が走る。そして。
{どうして どうして僕たちは出逢ってしまったのだろう こわれるほどに抱きしめた どうして どうして私達離れてしまったのだろう あんなに愛してたのに}
互いの想いが重なる。どうして どうしてと、ただ繰り返すしかないのだ。どうにもやりきれず、どうして、どうしてと。
{どうして どうしてできるだけ やさしくしなかったのだろう 二度と会えなくなるなら どうして どうして僕たちは出逢ってしまったのだろう}
延々と続くラストもまた素晴らしい。まさしくリフレインが叫んでる。最初から最後まで余すところなく100点といっていいのではないだろうか。
ちなみにこの曲はアルバム曲出身で、シングル化されていない。それでも隠し切れなかった名曲としてドラマ主題歌になった。私はベストアルバムから知ったのだが、とてつもない衝撃を受けたのを覚えている。思わず母に報告したものだ。とんでもない名曲があったと。
【今日の名歌詞】
どうして どうして僕たちは出逢ってしまったのだろう こわれるほどに抱きしめた どうして どうして私達離れてしまったのだろう あんなに愛してたのに