名曲450 「あぁ」【大黒摩季】
ーー死ぬ前の走馬灯に流してほしい神曲ーー
【あぁ】
誰にでも思い入れのある曲というのがある。普段聞く曲と比べてとても心地よかったり感動したり。それはシチュエーションによって増幅されるものだ。今回は私にとって特に思い入れのある曲を紹介。
大黒摩季の「あぁ」である。大黒摩季の曲は全体的に知名度が高いが、この曲は意外とそうでもない寄りに分類されるのではないか。以前取り上げた「チョット」もそうだが曲の完成度に見合っていない売上だったりする。当然この曲もミリオンヒット級でなければいけないと思っていたのだが、当時は1996年とJ-POP戦国時代。いい曲が多すぎたが故に(?)埋もれてしまった曲である。
{やっぱり夢を叶えたい このまま終わりたくない 目の前の現実は厳しすぎるけど もう一度だけ賭けてみよう}
私は学生時代に打ち込んでいた趣味があった。
{やらなきゃいけないことだらけ やりたいことつのるだけ このままでいいのかな…何もかもが不安に変わるよ}
それにずっと熱中し、全国大会をずっと夢見ていた。
{あぁ 君のように輝いてみたい 冷たい風に吹かれても負けない君のように あぁ 諦めないで 前だけ向いて歩いてみよう 寂しくても たとえ苦しくても 何かが見えるまで}
でもなかなか夢は叶わなかった。ライバルが多く、年齢も重ねてきてもう無理だと思った。
{きっかけがないと自分では決められないことがある 何かに背中をグッと押されなきゃ勇気も出ない時がある}
そんな状態である大会に出た。大学生のころだった。
{人はどちらにつくかで見方が変わってしまう あれは身を引いたのか それとも逃げ出したのか}
ダメもとで。最後のチャンスと思って。でもその日は調子がよかったのだ。
{あぁ 君のように貫いてみたい どんなに遠回りしても迷わない君のように あぁ もう逃げないで この今を乗り越えてみよう 正しくても 間違いだったとしても いつか笑えるように}
調子がよかったんじゃなく、毎日ちょっとずつ努力をしていたのかもしれない。なんと優勝することができた。
{あぁ 君のように輝いてみたい 冷たい風に吹かれても負けない君のように あぁ 諦めないで 前だけ向いて歩いてみよう 寂しくても たとえ苦しくても 何かが見えるまで}
夢だった全国大会に出場できた。その日の帰り道の電車、私の頭の中はこの曲でいっぱいだった。人間、本当に感傷的になったときは「あぁ」の言葉しか思い浮かばないのだ。
{胸の奥の夢だけ抱きしめて 今夜は眠ろう}
人生で輝くことができた日の曲として感慨深い。イントロ、歌詞、大黒摩季の歌い方すべてが完璧である。屈指の感動曲といっていい。
ちなみに調べてみたのだが、歌詞の中の「君」はB'Zのふたりらしい。スタジオでふたりのがむしゃらに練習する姿を見てこの詞が浮かんだのだとか。努力は裏切らない。もう一度この曲を、聴きたいなあ。
【今日の名歌詞】
人はどちらにつくかで見方が変わってしまう あれは身を引いたのか それとも逃げ出したのか