名曲209 「Over the rainbow」【Moonchild】
ーー不思議な浮遊感のある、クセがすごい曲GPーー
【Moonchild -Over the rainbow】
Moonchildはエスケープの印象が強い。90年代の代表曲といっていいレベルの曲だがほかにどんな曲があるか知らない方は多いのではないか。
今回は「Over the rainbow」を紹介。この曲、かなりクセが強い。ふわふわした感じになるのだが、その中途半端な酔いに慣れるともうリピートできる。正直、初見で受け入れられる方はやや変態よりだと思う。
{傷つくのに慣れないでと 褪めた胸に降りしきる雨 もう 忘れたはずのいとしさが 傘を閉じたまま 雨にうたれてる}
ねっとりとしたムードと声。梅雨のけだるさも表現しているようだ。
{離れてゆく 誰かのぬくもり 感じてたよ きっと 追いかけない あなたを愛してた}
{振りむかない 焦らない 迷ったりしない 数えきれない 誰かの哀しみ抱いて 歩いてく 流れてく 街灯り 乾いてく涙 素直に笑いたい Over the rainbow}
サビの中毒性が高い高い。振りむかない、焦らない、迷ったりしない。この語感のよさが独特の快楽を生み出している。雨は降るも涙は乾く。この対比もちらりとうかがわせて味わい深い。
{交わすくちづけの数だけ 嘘が上手くなるのがこわかった もう これ以上やさしくしないで 自分らしさ取り戻したいから}
くちづけの数だけ噓が上手くなるというのは意外と初耳の表現だった。うまい。
{変わり急ぐ街の生活に すれちがう痛み 無邪気な微笑み やさしく抱きしめて}
もうこの辺りから早くサビ聴かせてと体がうずいてしまう。
{振りむかない 焦らない 迷ったりしない}
ああこれだ。PVの気持ち悪い感じもいい。いい調味料になっている。
{数えきれない 誰かの哀しみ抱いて 歩いてく 流れてく 街灯り 乾いてく涙 心を映してよ Over the rainbow}
そうそう、PVが絶妙に気持ち悪いのだ。スピッツのような雰囲気もあるがそれ以上にくねくねした動きが独特の世界観へ引きずり込もうとするような(敵キャラみたいだ)感じ。
こういう曲は世間的に受け入れにくいものの、好きな人はとことん好きになれる。特にサビの中毒性は異常。カラオケのレパートリーに入りそうだ。くねくねしながら歌おうかしら。
【今日の名歌詞】
交わすくちづけの数だけ 嘘が上手くなるのがこわかった