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名曲70 「Good Luck!」【広瀬香美】

ーー冬の女王の突き抜けた明るい歌詞に救われたーー


今回は動画なし。冬の女王といえば広瀬香美である。いまではYouTuberとしても活躍しており馴染み深い存在といえるが、実はこの方とんでもないレジェンドなのだ。私の音楽能力を10とするならこの方は2兆くらいはある。もう、ひれ伏さねばならない。

広瀬香美の魅力といえば、ハイトーンボイスがまず浮かぶだろう。「Search light」の間奏で発する超のつく高音はさながらリコーダーのよう。ほとんどの人類が真似できない音域で歌い、そしてその喉の体力も凄まじい。軽々と高音を歌いあげるそのさまはお化けだ。

ただ、私はもうひとつ大きな武器を持っていると思っている。それがズバリ歌詞だ。広瀬香美の歌詞はいわば女子感満載。女の欲望を素直に包み隠さず搭載した歌詞にあると思っている。今回取り上げるこの曲も素晴らしいのだ。私は正直、この曲に救われた経験がある。

{彼ナイ歴もかれこれ2年と3ヶ月 恋人単位の世の中で 強くたくましく生きている}

ザ・広瀬香美節である。一見すると、この曲は恋人のできない女性について歌っているように見えるが、ところどころに共感できる部分があるのが面白い。

{TVや映画見てると あふれるほどあるのに あたしには一度も来ない “偶然”ってヤツをお金で買いたい}

いいじゃないか。偶然がお金で買えるならそれはもう偶然ではないが、それをあえて「好機」や「チャンス」とせず、「偶然」と表現しているのが秀逸である。なんでドラマのあの子にはそんな都合いい展開があるのよと、ちょっとムッとしているさまが浮かぶ。広瀬香美はコピーライターや詩人としても大成したのではないか。

なぜ私がこの曲に救われたのか。それは最後の大サビのフレーズにあった。

{あたしたち自分で未来を選べるのよ}

私は就職活動がうまくいかず、転職もしたことがある。そんなときに心の支えにしていたフレーズがこれなのだ。「あたしたち」とは若い女性のことのように思うのだが、自分で未来を選べるというのが若さの特権である。そうだ、私はまだ若い。自分で未来を選べる。それが心の支えになって、なんとか苦しい状況を打破できたのだ。

{迷路の途中ころがっている “悩み”なんてクイズのようなもの}

{どこでくじけたって どこで泣いてみたって 決まりごとのない人生よ Good Luck Everybody, yeah! 楽しまなきゃ}

なんて明るいんだろう。こっちまで元気になるではないか。広瀬香美のウキウキするような歌声がなければ私は未来を選ぶことなく沈んでいたかもしれない。もちろんこの曲はメロディーも最高だ。シングル化してもよかったのではないだろうか。

余談だが、合いの手の外国人らしき男の声もまた好みである。2番のサビに入る直前のアーッハッハッハがお気に入り。ほんと、細部まで元気になる曲だ。

【今日の名歌詞】

あたしたち自分で未来を選べるのよ

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