名曲471 「真冬の帰り道」【広瀬香美】

ーー幸せは冬にやってくる。だから冬は終わってほしくないーー

【広瀬香美 真冬の帰り道】

 先日はとある雪の多い地域を訪れた。2月というとそろそろ春を感じさせる時期でもあるが、お構いなしに雪は降るわ、寒いわ、若干花粉はあるわで雪国の現実は厳しい。

 今回の曲は広瀬香美の「真冬の帰り道」。初期の隠れた名曲である。

{メイクも服もバッチリ デキる女はカッコイイ 気分はまさにスーパーモデル できることなら言わせたい 今夜は朝まで帰さない いまどきそんなヤツいないって}

 これぞ。これぞ広瀬香美の歌詞である。ちょっとしたダサさを片手に、当人はキラキラ輝いている。軽いバブルを思わせるではないか。

{地下鉄のホーム カガミに映る顔 ニヤけちゃってますネ イェーイ}

 カタカナがいい味出している。「ネ」と「イェーイ」は狙っていないとそう表現できない。

{幸せは冬にやってくる 春に花咲く二人になる ドキドキ行く道 たった一人 真冬の帰り道 この前サヨナラした日から 愛情ちゃんと育ててきた あなたも同じ気持ちでいますか?}

 ポップなメロディーで願う姿はまさしく少女漫画のヒロイン。しかしじっくり歌詞と向き合うと、切なさもうかがわせる。一度サヨナラした日から延々と恋を待ち焦がれている姿を想像すると、から元気のようにも見えてしまう。

 一見すると楽しさ満載の曲だが、「真冬の帰り道」ということで少々ブルーな一面も。バランスもあるのがいい。私は広瀬香美の葛藤も想像してしまう。この曲は1997年に発売された。ロマンスの神様から約4年の月日が流れ、大人な雰囲気を醸し出そうとしている初期ギリギリの歌詞なのである。それがちょうど絶妙な時期なのだ。

 まあそれも見当外れかもしれないので、当時のCM映像を見て心を落ち着けよう。そういえばスキーはいつ最後にしたかしら。もうそろそろ春になっちゃう。幸せが逃げてしまう。ジリリリリリ。

{最終のベル 一生うらむわ 永遠の別れみたい イェーイ}

       【今日の名歌詞】

恋する女はきれいだと みんなカンタンに言うけれど エステにこっそり通って あと3キロやせるノダ なんとか行ってる英会話 しゃべれて当然の世の中 努力しなくちゃ前に進めない




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