名曲509 「ハートのseason」【太田貴子】[魔法の天使クリィミーマミ]

ーーザ・80年代の軽快なアニソンらしくないアニソンーー

【ハートのseason】

 『魔法の天使クリィミーマミ』は1980年代に人気を博したアニメである。いつの世も魔法少女系のアニメは存在するが、80年代といえばこれだろう。だが、この作品は芸能界に飛び込むお話なのでかなりリアリティの強いものになっている。現代でも人気なラブライブ要素が少しあり、今こそ再評価されてもおかしくないと思っている。

 その主題歌といえばデリケートに……うむ。そちらを書こうと思っていたのだが、まずはこちらを取り上げたい。理由は単純にこちらのほうが好みなのである。歌うは太田貴子。当アニメの主人公の声優である。ちなみにテレビ主題歌ではなく、ビデオ版(ロング・グッドバイ)の主題歌だ。

{たぶんあなたは LONELINESS その場限りの HOLD ME TIGHT 月影は FULL MOON いたずら書きのGOOD-BYE}

{綺麗って言われたい 可愛いって言われたい 揺れるハートの SEASON わかってね}

 リズムがいかにもアイドルソング。そしていかにも80年代である。この1980年代前半からいわゆる昭和アニソンの雰囲気が変わってきた。アニソンもオシャレに、広く愛されるものを目指したのである。当時のアニソンにしてはかなりアップテンポだ。

 それが悪いわけではない(建前)のだが、やはり寂しくもある。そういう意味では先ほど言いかけた「デリケートにキスして」のほうがゆったりしたテンポで子どもも歌いやすい。それでも私が名曲と推す理由は、非常にまとまっているからだ。そしてクリィミーマミの世界観にも合うのである。

{大人にもなりきれず 子供でもいられない 時間旅行の中 迷い子ね}

 魔法少女は人間の少女よりは大人でも、人間の大人ほど大人じゃない。ちょっぴり成熟させつつもドジな面も持ち合わせる。迷い子はダブルミーニングでもある。みんなから愛されるお姉ちゃんの像。いつの時代にもそんな存在がいたのだ。

 ちなみに私はおジャ魔女世代なのだが、そこまでガッツリ見なかったのは男の子だったからだろう。だが同世代でのカラオケでは主題歌が定番となっている。野太い声でピリカピリララと歌うのは気持ちいいですぞ。あっ、そういえばその主題歌もまだ書いていなかったか。また思い出したらどこかで。それにしても太田貴子はかわいい。

       【今日の名歌詞】

大人にもなりきれず 子供でもいられない 時間旅行の中 迷い子ね





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