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名曲167 「花唄」【TOKIO】
ーートキを越えて歌い継がれてほしいポップミュージックーー
【花唄】
ここ数年でジャニーズはいろいろあった。SMAP解散あたりからだろうか、どこかおかしいように思う。SMAPさんがあんな感じだからとどのグループも我慢を失って自我が芽生えたのではないかと思うのだが、そう書くと悪い意味に捉えられてしまうだろうか。
トキオもそうである。解散は悲しかった。しかし5人で1グループという概念のもとだったのだろう。今回はそんな悲しみを勝手にふっ飛ばしてしまえそうなさわやかな春の曲を紹介。今後も取り上げていく予定だ。
{嗚呼~花が咲く 理由もないけど 肩落とす僕の上 凛と微笑む やたら咲き誇る エラクもないけど 泣きだしそうな僕のために 舞う花吹雪}
冒頭のサビの歌詞が好きだ。やたら咲き誇るというのが男らしくていい。男(それも硬派)と花を結びつけるにはいささか工夫がいる。あまり花に寄せてしまうとオネエ化してしまうので普通はさりげなく添えるものくらいだが、「やたら」と「咲き誇る」を組み合わせたのが絶妙なのだ。情景が目に浮かぶ。つんとした男のそばで、何か知らんけど咲いていやがる。邪魔だといっても凛としていやがる。ふと周りを見渡すと花吹雪が。んだよ、何か言いたそうじゃないかよ。みたいな。
{嗚呼~鳥が飛ぶ 急ぐわけじゃなく 汚れゆく青空を 引き裂いてゆく 無力な自分と 恥じるその前に 絶望の風に羽根ひろげて 舞え花吹雪}
サビのメロディーは昭和の香りも少しあるポップなものだ。だからこそ歌いやすいし親しみやすい。
{僕らがいる 意味は奪えない そのままでも これからも ここからでも そして歩き出す 迷ってもいいさ 果てしなき道のド真ん中で 明日を信じる}
前を向いていけそうではないか。こういった青春系の歌詞はありふれており今更取り上げないが、トキオが歌っていると青春味が増すのは、5人の楽しそうな姿がそれを連想させるのかもしれない。いかにも仲の良い男グループといった感じだ。……本当に悲しい。
{そして今君に心込めて 唄をうたおう}
メンバーのみんなも、この歌詞を胸に前を向いていたらと願う。
それにしてもこの曲は思わず鼻歌で歌ってしまう。まさかダブルミーニングというわけではあるまいが。トキオがいなくなっても曲は心の中で生き続ける。ふーんふふふふふーん。ふふーんふふふふふーん。
【今日の名歌詞】
やたら咲き誇る エラクもないけど 泣きだしそうな僕のために 舞う花吹雪