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名曲182 「ウルトラ警備隊」【東京マイスタージンガー】[ウルトラセブン]
ーーいざ、出陣!--
【ウルトラ警備隊の歌(歌有)】
ウルトラセブンは特徴的な曲が多く、いずれも味が染み込まれた名曲といえる。味付けをしっかり濃くしたから現代にも通用しているのだ。
「ウルトラ警備隊」はその中でも勇ましくもありかっこいい。軍歌のようなマーチに乗せて野太い地鳴りの声が響く。東京マイスタージンガーはほとんど知らなかったが幼少期は好きだった。
というのも、かわいい声だった子ども時代にこの野太い声を真似しようと必死に歌っていたのだ。いまでこそ似てる声を出せるようになれたが、当時は難しかったはず。それでも似ているような気がして満足げに歌っていたのだ。もーえるーもーえるーなんて。
{渦まく炎がうなりをたてて 燃える 燃える
ウルトラホークで大空へ 進め 進め
地球を守る警備隊 名づけてウルトラ警備隊}
歌詞も細かく工夫されているのがいい。渦まく炎がうなりをたてるなんて、描写もいいし字脚もいい。少ない日本語でここまで表現できているのは流石は東京一である。東京一は以前にも書いたが昭和ウルトラマン系の作詞を務めており、円谷プロの社長である。
{逆まく嵐がはやてにのって 狂う 狂う
ウルトラカーで大地をけって 走れ 走れ
地球を守る警備隊 名づけてウルトラ警備隊}
2番のクオリティも変わらない。逆まく嵐がはやてにのって、狂うのである。まあ今ではアウト気味の表現ではあるが、情景がやはり浮かんでくる。
作曲は冬木透。歌詞もいいのだが、この曲を作ったのは見事の一言である。ウルトラセブンの挿入歌で流れていたが、当時はその曲が流れて口ずさんだ子も多いのではないか。それは歌いやすいメロディーのおかげである。
ウルトラセブンは現代でも人気のあるウルトラマン。いまでもCMの曲にメロディーが使われるなど、その認知度は令和(50年以上も前の作品である)になっても色あせていない。昭和ウルトラマンの中でもストーリーや曲の完成度が非常に高いのである。冒頭にも書いたが全体的に濃い曲なのもその要因だろう。そのうちクラシックのように何百年経っても使われていくのではないかと、思わず上を見る。
【今日の名歌詞】
逆まく嵐がはやてにのって 狂う 狂う