名曲184 「白い色は恋人の色」【ベッツィー & クリス】
ーーきれいなハーモニーとメロディーが心を浄化させる唯一無二のベストマッチーー
【白い色は恋人の色 - ベッツィー & クリス】
今回は1969年に発売された伝説の名曲を紹介。60年代の曲ながら意外と知名度が高い。なぜなら「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツオトナ帝国の逆襲」でタイアップされたからである。クレヨンしんちゃんといって侮ることなかれ。この作品は大人も楽しめる歴代最高傑作クラスの名作である。あの頃に戻りたい50代以上の方はぜひ視聴をお勧めする。
私もそこからこの曲を知った。当時は気づかなかったが、高校生になって再度見返したときにこの曲のよさに気づいた。ノスタルジックなシーンに流れるその挿入歌は、それはそれはぴったりで、数多くある昭和の名曲からよくこれを選んだと感服したものである。
{花びらの白い色は恋人の色 なつかしい白百合は恋人の色}
作詞は北山修。作曲は加藤和彦である。なんとザ・フォーククルセダーズのふたりが携わっているのだ。そういわれるとどこかクルセダーズ感も強い。
{ふるさとのあの人の あの人の足もとに咲く白百合の 花びらの白い色は恋人の色}
このサビは60年代の中でランキングをつけろと言われたら上位間違いない至高の出来である。それはベッツィー & クリスのおかげでもあるだろう。美しいものに美しいものを掛け算してしまったらそりゃ至高になるもの。足し算なんてぬるさではない。掛け算のステップアップである。
{夕やけの赤い色は想い出の色 涙でゆれていた想い出の色 ふるさとのあの人の あの人のうるんでいた瞳にうつる 夕やけの赤い色は想い出の色 想い出の色 想い出の色}
3番が好みだ。赤という色は暖色系ということもあり、普通は悲しみと結びつかないのである。しかし涙でゆれていたというアクセントを加えることにより絶妙なミスマッチを生み出している。名曲10でも取り上げた「オレンジ」もそうだ。この曲をリスペクトしてのものだろうか。
ベッツィー & クリスの歌声は非常にレベルが高く、少したどたどしい感じで歌いあげる日本語がまた絶妙な塩梅。これが日本人がスラスラ歌っていては味が出ておらず、浅いものになっていたに違いない。そういう意味で何もかもがベストマッチだった。そうして歴史に名を刻む名曲となったのだ。
【今日の名歌詞】
夕やけの赤い色は想い出の色 想い出の色 想い出の色