名曲445 「帰りたくなったよ」【いきものがかり】
ーー誰にでも帰りたい場所があるーー
【いきものがかり 『帰りたくなったよ』Music Video】
えっあの曲がもうこんな前なの? そう思った人は多いだろう。私はいきものがかりの曲全般にそう感じてしまう。今回紹介する曲は4年前……ではなく14年前にリリースされた「帰りたくなったよ」だ。
いきものがかりのバラードの中では非常に秀逸だと思う曲である。メロディーが万人受けすること間違いなしの構成で、なんだか懐かしい雰囲気を感じてしまう。とても、2000年代後半の曲とは思えない。
{心の穴を埋めたいから 優しいフリして笑った 出会いと別れがせわしく 僕の肩を駆けていくよ ダメな自分が悔しいほど わかってしまうから損だ 強くはなりきれないから ただ目をつぶって耐えてた}
ダメな自分を見せられてしまう存在というのはつらい。目をつぶって耐えたくもなる。
{ほら 見えてくるよ}
たっぷりためにためて解き放つ。これがうまい。きっと心の中に残った思いが形を変えてくれる。目を開く。
{帰りたくなったよ 君が待つ街へ 大きく手を振ってくれたら 何度でも振り返すから 帰りたくなったよ 君が待つ家に 聞いて欲しい話があるよ 笑ってくれたら嬉しいな}
帰りたくなったときに聞きたい優しいメロディー。優しい歌声。つらいものがない優しい空間、優しい時間帯。時には弱くなってもいい。口に出して歌ってみると、不思議と涙がこぼれ落ちそうになる。
この曲はいきものがかりの中で「ありがとう」以前だとバラード最高傑作級と思っていた。前期はこっち、後期はそっちみたいな。どちらにも共通するのは優しさである。温かみをこれほど感じられる曲はそうそうない。
ちなみに最初に出会ったのは小田和正の「クリスマスの約束」でのメドレーである。なんとメドレーのトリを務めた。最後がきれいにコーラスで終わってきれいなんだこれが。ああ、また聴きたいなあ。
あのころに帰りたくなったよ。
【今日の名歌詞】
心の穴を埋めたいから 優しいフリして笑った 出会いと別れがせわしく 僕の肩を駆けていくよ ダメな自分が悔しいほど わかってしまうから損だ 強くはなりきれないから ただ目をつぶって耐えてた