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名曲129 「行け!タイガーマスク」【新田洋(森本英世)】[タイガーマスク]
ーー虎だ、虎だ、お前は虎になるのだ!!!ーー
【タイガーマスクOP - 行け!タイガーマスク】
梶原一騎原作のアニメの中でも、トップクラスの知名度を誇るのがタイガーマスクである。要因として多くの人の心をつかんで離さない、魅力的な主人公にあるだろう。
今回は1969年に放送されたオープニングテーマを紹介。久しぶりの60年代曲だが、正直その感覚はない。その古臭くないサウンドと情熱的なメロディーは革新的ですらある。作曲は菊池俊輔。安心と安定の菊池さまだが、中でもこの曲は凄まじく完成度が高い。
{しろいマットの ジャングルに きょうも あらしが 吹きあれる ルール無用の 悪党に 正義のパンチを ぶちかませ ゆけ ゆけ タイガー タイガー・マスク}
歌詞は昭和テイスト。昭和ヒーローにとって強さを誇示させる歌詞は必須である。個人的には「しろい~マットの~↑」のところが大好物だ。
歌うは新田洋さんという方なのだが、実はこの人よく知らなかった。調べてみると(うたエモンだけど)森本英世さんという名前で活動されていたようなのだ。最終回でその姿を確認できたのだがすごくダンディーであった。
{三本ロープの ジャングルに ほえる野獣の 無法者 しまのガウンを ひるがえし やつらのきばを 折ってやれ ゆけ ゆけ タイガー タイガー・マスク}
こちらが2番。この部分は当初知らなかった。そもそも3番まであるとは知らなかったのだ。テレビで歌う場合は、この2番が丸々カットされていることが多い。若干わかりにくい表現なのもあるし、「無法者」という表現がアウトなのかもしれない。これも時代を感じさせる。
{草も木もない ジャングルに 血をよぶ わなが 待っている フェア・プレーで きりぬけて 男の 根性みせてやれ ゆけ ゆけ タイガー タイガー・マスク}
3番はグッとくる。ルール無用の相手に対しフェアプレーで男の根性を見せろだなんてなんと美しいことか。当時の少年たちは魅了されたに違いない。
改めてこの曲のすごさについて書きたい。当時のアニメ主題歌はどれも雰囲気が似ており、軍歌やマーチのようなのも多かった。鉄人28号やマッハゴーゴーゴーなど、それらも名曲で好きなのだが、やはり「古い」という感情が湧き出てしまう。
その中でこの曲は衝撃レベルで古さを感じさせない。いつ聴いても味が引き締まっている。短くまとまった懐石料理といっていいだろう。
タイガーマスクのアニメがヒットしたのも、冒頭のセリフとこの曲でテンションを高ぶらせていた効果があったからだ。それほどオープニング曲は大事な存在なのである。100年後もきっとテレビなどで流れているだろう。
【今日の名歌詞】
フェア・プレーで きりぬけて 男の 根性みせてやれ