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名曲162 「Is This Love」【EARTH】

ーーいまでこそ時代を感じられるようになったアイドルグループーー

 EARTHは2000年代前半に活躍したダンスグループである。女性3人組ということで時代が時代なら人気アイドルグループになっていただろう。ただ、2021年現在で覚えている方は少ないかもしれない。短命に終わったのと、同時期に化け物アイドルグループがいたからだ。ご存知モーニング娘。である。

 EARTHの雰囲気は何かこうどこかで見たことのあるような感じを寄せ集めた印象が強かった。当初、私は宇多田ヒカル、SPEED、モーニング娘。がちらついた。特に宇多田ヒカル感はかなり強く、どうも直視できないでいた。そう思った人が多かったのかはわからないが、5年で解散となった。

 よくあるアイドルグループの結末ともいえそうだが、そう認識したままではいけない。ちゃんと曲も聞いてこそ評価が下される。その中でこの「Is This Love」のファーストインパクトはよかった。雰囲気は宇多田ヒカルだし、いかにも2000年代前半を思わせるサウンド。注目すべきはその歌唱力と年齢だ。

 メンバーの東郷祐佳、朝長真弥、瀬戸山清香の3人は1986~87年生まれ。この曲が発表されたのは2001年。つまり彼女たちは当時14~15歳というわけだ。中学生くらいの子が歌っていると思うと恐ろしいのである。それはSPEEDとはまた違った次元でだ。声が非常に太く、成人女性のようなのである。

{生れた 愛を育てて 信じる 力に変えて 昨日より 強く なれるのかな? 「切なさ」って言葉じゃ 伝えられないよね 抱きしめて その意味を感じたい}

 「昨日より強くなれるのかな」の部分でちょっと幼さが見える。中学生の感じがほのかに。それは置いてサビは現代でも通用するレベルでいい。正直、某アイドルグループよりも遥かにレベルが高く感じるのは気のせいか。

{見つめた瞳の中で 心も見透かされそうで 本当の気持ち 試されてるね 駆け引きに負けるほどの恋じゃないって 見つからない この思い伝えたい}

 徐々に聞いていくうちに宇多田ヒカルやSPEEDの幻影は消え、3人の姿が見えてきた。例えるなら女性版DA PUMPといったところか。気に入った。

 再評価されてほしいが如何せん難しくもあるのがこの世の中。何か一つのきっかけ(タイアップとか)があればいいのだが、果たして。こういう短命に終わって大きな芽が出なかったグループも、実力はしっかりあったのだと思うと切なくなる。

          【今日の名歌詞】

誰もが通る道なのに 標識もないね もし迷ってもその先に 答えは待っているのかな?



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