名曲606 「微笑むあなたに会いたい」【工藤夕貴】[愛少女ポリアンナ物語Ⅱ]

ーー全上司に広めたい「よかった探し」ーー

【微笑むあなたに会いたい / 工藤夕貴】

 『愛少女ポリアンナ物語』は1986年に放送された「世界名作劇場」の作品である。『フランダースの犬』や『アルプスの少女ハイジ』などさまざまなその名に恥じない名作を生み出してきた。もちろん名曲も多い。このnoteでも何回か取り上げている。

 今回紹介する曲は2部の主題歌「微笑むあなたに会いたい」。工藤夕貴は歌手としても女優としても活躍していたようだ。私はどういう世界線にいたのかわからないがまったく知らなかった。この曲を聴く限りではザ・80年代といった感じの歌声。か細い清純派である。

 あらお美しい。こりゃ当時人気出ていたでしょう。ポリアンナもかわいらしい。でも工藤と言えば静香のイメージもあるし、当時のアイドル業界は大変だったと思う。

 ちなみに主人公のポリアンナの声は堀江美都子が担当している。これは堀江ファンにとって大事な情報なのでメモメモ。当然主題歌も担当していると思いきや、そちらは一切関わっていなかった。

 後にカバーはしている。正直堀江美都子のほうが歌がうまい。しかし今回は工藤夕貴版のほうが個人的に好みだ。堀江美都子の歌声だと力強さが出ちゃって曲の悲壮感が少しぼやける印象がする。

 ざっと調べてみたのだが、この作品はこの主題歌が起用される時期になってから暗い展開になっていたようである。世界名作劇場あるあるだが、涙を誘うシーンとのお付き合いをどう見るか。個人的にはあまりにも悲しいのは苦手である。

 興味深い点も見つかった。それは主人公のポリアンナの得意技である「よかった探し」。どんなことが起きても、その中からよかったと思えることを探し出して明るく振る舞うためのゲームらしい。いいではないか。やっぱりね、どんなときもポジティブにいかねばならんですよ。後にこのような極めて前向きな楽観主義者のことを「ポリアンナ」と呼ぶようになったようだ。「ポリアンナ効果」や「ポリアンナ症候群」という心理学の用語も生まれたとのことで、功績が大きい。

 いま、当時リアルタイムで見ていた層が30代後半~40代くらいだろう。職場ではずばり人の上に立つ立場になっている。そこで、このアニメを思い出してどんな状況でも「よかった探し」をしてもらえないだろうか。粗探しばかりしている先輩が多くてあっしゃあ悲しくて悲しくて。みんなポリアンナになって。

       【今日の名歌詞】

似合っていないよ 涙など 悲しみなんかに負けない


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