名曲169 「心から幸せに」【内田忍】
ーーこのままこの名曲が埋もれてしまっては幸せになれないーー
【心から幸せに】
90年代のJ-POPは非常にレベルが高かった。それはもう何度も書いているのだが今回はさらに語気を強めて書きたい。この曲がミリオンヒットしなかったのはなぜだ。プロデュースか。プロデュースが悪かったのか。
「心から幸せに」は1993年に発売された。ドラマ「結婚、私が好きですか」の主題歌とのことで、当時のドラマ主題歌となればミリオン製造機ともいえる媒体である。いわばヒット曲の仲間入りなわけで、さぞこの曲も売れたと思ったのだが、実はほとんどヒットしなかった。
それどころか、存在すら怪しくなっている。
まず歌手の内田忍。この方は検索してもWikipediaすら出てこなかった。別人らしき人すら出てくるではないか。
そしてこの曲の歌詞である。いつも私はJ-Lyric(https://j-lyric.net/)から引っ張ってきているのだが、これが検索しても見つからないのである。前日のあした・あさって・しあさってはまだわかるが、れっきとしたJ-POPの曲なのにこの扱いはいったい何なのか。なお、歌詞は上記の動画内に書いてある。
すべてが謎に包まれたこの曲だが、非常に完成度が高い。メロディーの美しさと内田忍の歌声のバランスがいい。静かな立ち上がりからサビへの流れがたまらない。
サビは思わず体を揺らしながら聞いてしまう。「高まるグッバイブレイション」「ときめいたシチュエーション」の語感もよし。「街中がコングラチュレーション」「キャンドルでセレブレーション」。うーむ、このテンポでうまいこと韻を踏めるものだ。
アウトロもまた気持ちよくまとまっている。ラララで終わっていくのはよくある手法だが、サビそのもののメロディーがいいので違和感がない。幸せなまま、二人でどこか手をつなぎながら遠くへいっていくような感じがする終わり方だ。
歌詞の内容から結婚式に使えそうで、どこか芸能人の大物カップルの披露宴でこの曲使ってくれないだろうか。リバイバルを強く願っている。というより、評価をされなかった当時がおかしい。たまにこういう正当な評価を得なかった曲があるのも90年代の特徴である。その点ではいまのほうがまさっているともいえるか。
【今日の名歌詞】
僕たち二人なら 心から幸せになれる
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