名曲6 「北埼玉ブルース」【のはらひろし】[クレヨンしんちゃん]
ーー藤原啓治の声はもう聞けない。だが曲は永遠に生き続けるーー
【北埼玉ブルース】
クレヨンしんちゃん好きならば一度は耳にしたことがある曲かもしれない。北埼玉ブルースはのはらひろしのテーマソング的な立ち位置だ。はかないサラリーマン、いや男の哀愁漂う名曲である。
昭和の香りがプンプンと感じられるこの曲は、それこそ昭和中期をイメージして作られたのだと思う。酒場での刹那的な一瞬を切り取り、どこかセクシーさも感じられるその曲に、のはらひろし、いや藤原啓治の声がぴったりなのだ。
歌詞が男心をくすぐる。
{そぼ降る雨に濡れている お前の背中が淋しげで 思わず抱いてしまったよ}
{飲めない酒に酔っている お前がなんだか愛しくて も一度抱いてしまったよ}
{はかない恋に生きている お前の心がわかるから またまた抱いてしまったよ}
ほぼ全歌詞を載せたが、傑作である。この短い間にストーリーが生まれているではないか。男にとってはなんていいシチュエーションなんだと。女目線でも憧れるのではないだろうか。
これをあの、のはらひろしが歌っているというのがまたいい。みさえに頭が上がらない、普段は冴えないサラリーマンだが、そっと酒場でそういう夢を見るのである。そう、夢が詰まった歌なのだ。男のロマン、昭和のロマンがぎっしりと詰まっている歌なのだ。
【今日の名歌詞】
そぼ降る雨に濡れている お前の背中が淋しげで 思わず抱いてしまったよ