名曲719 「ガンダーラ」【ゴダイゴ】
ーーハイセンスな表現力に脱帽ーー
【ガンダーラ】
私が昭和の名曲群にハマったころ、目を引いたのはゴダイゴだった。おいおい、このnoteで一度も書いたことがなかったじゃないか。ということで信じてもらえないかもしれない。
小学生か中学生のころである。よくやっている昭和の名曲特集という感じの歌番組で、次々と曲が流れていったとき、そのアーティストが否が応でも目を引いたのであった。それは「歌詞の中に英語がある」というものである。
それまでの流れていた曲は古き良き日本語の羅列が多かった。それを誇りとする風潮すらあったかもしれない。当時の作詞家は語彙力が豊かだった。もちろん私はそれを好きだし、できれば村下孝蔵(歌詞がすべて日本語というこだわりがある)が理想とさえ思っている。
だが、ゴダイゴのそれはサビでがっちりと英語を歌っているのである。いまでは当たり前の表現だが、当時はかなり画期的だったのではないかと。幼き心にすごいなと思った。そしていつしか、ゴダイゴを、時代を先取りしたハイセンスな存在とさえ思った。母にその魅力を語ったのをよく覚えている。
「ガンダーラ」もそのうちのひとつ。穏やかなテンポでいかにも和語が似合いそうなのに、英語とのミックスには意表を突かれる。幼き私にも聞き取れた「インディア」。それがその曲の雰囲気をすべて内包していた。そして、想像が止まらなくなった。
メロディーはこの穏やかなものでは昭和を代表するレベルでトップクラス。ただいいメロディーというわけではない。そのさらに先の、世界観の想像を膨らませるような次元に達している。日曜日はこれを聴いてゆっくりしよう。