名曲906 「海はぼくらと」【岩渕まこと】[劇場版ドラえもん]
ーー優しく包み込む母なる海ーー
【映画ドラえもんのび太の海底鬼岩城 主題歌「海はぼくらと 」】
映画ドラえもんのび太の海底鬼岩城 主題歌「海はぼくらと 」 - YouTube
『ドラえもんのび太の海底鬼岩城』を見たことがあるだろうか。1983年放映の名作である。まだリメイクをしていないので馴染みは薄いかもしれない。オールドファンの皆さん、こんにちは。
その主題歌は岩渕まことが担当している。旧ドラといえば武田鉄矢のイメージが強いかと思うが、歌うのは2年後からである。それまでは岩渕まことだった。今でこそシティポップの隠れたアーティストとして取り上げられているが、ドラえもんファンにとっては忘れることのない存在なのだ。
穏やかなメロディーに優しい歌声。特に「もしかすると」の部分は思わず涙がこぼれ落ちそうになる。そして歌詞も素晴らしいのだ。ちなみに作詞はさすがの鉄矢さんなんですわ。ドラえもんのような愛情がギュッと丸く包まれている。ぜひともご覧になってほしい。
作曲は伝説の菊池俊輔。さすがのメロディーラインだがサビ後のCメロがまたひと味違う。ほんのり塩味。それは武田鉄矢の作詞力もそう。昔はオノマトペが非常に秀逸で、ザブリンザブリンだけでなくシューシーオーシャンはもう拍手なのだよ。耳がよく、表現力もうまくなくてはそう書けない。
大絶賛のこの曲なのだが、知名度は低い。そしてリメイクされるかも怪しいのが本作なのだ。というのもちょっと触れにくい要素がいくつかある。私なりの考察をば。
ひとつはバミューダトライアングルというリアルな地名が出ていること。ここを恐らくいじらないといけないのだが、架空のにするといくつか話における根拠が薄れてしまうのである。ジャイアンスネ夫の溺死シーンとか。
もうひとつは前述の溺死(死んでないけど)描写が生々しいこと。これはねえ、現代じゃ無理。多くのトラウマを引き起こしかねないので間違いなく修正されるのだが、常に海の中なので代替案がないのだ。
ここをうまく使わずにできればよさそうなのだが、それはもう別物といっていいだろう。個人的にはバギーが最後以外ウザすぎるので、そこまで名作という評価ではない。いや、名作なんだけれど最上位出ない感じ。A+くらいかね。ああ、ドラえもん映画についても語りたい。小一時間語りたい。