名曲257 「melt bitter」【さとうもか】
ーースカッとする失恋ソングの決定版。度肝を抜かれたーー
【さとうもか - melt bitter sato moka Music Video】
YOASOBIの「夜に駆ける」の記事内で断末魔のように叫んだ(文字にするとわからないけど)のが、現代の曲もレベル高いぞといった旨である。これはもう実際に聴いてみたのだからリップサービス的な意味ではない。二言はない。
さとうもかは平成からいまにかけて活躍するアーティストだ。懐古厨おじさんと化している私は発見が遅れたのだが、たまたまこの曲を耳にしたのを聞き逃さず、メモを取った。偶然にも見つけられたのはラッキーだった。
{ねえ 2人とも分かってたの 何度 心絡めても日に日に ほどけていった 赤色の糸 愛してる 愛してるなんて 言葉だけじゃ やっぱダメみたいだ 運命だと信じてた日々よ}
もうわかる通り失恋の曲である。これくらいの歌詞ならごまんとあるわけだが、全体を通してみるとレベルが非常に高いのだ。
{私の痛い気持ちを ふたりのものだと勘違いしていた 抱きしめなきゃ なにも分かんないのに 愛してる 愛してるなんて 文字の重さは泡と同じだね 会いに行けば未来は変わったかな}
軽快なテンポにのせてサビが歌われる。おおこれぞヒップホップ。メロディーだけ聞けば中毒性すらあるので延々と聴いていられる。しかし。
{友達にも もうきっとなれないでしょう 最後の言葉は「またね」だったけど また なんてもう無いんだよ}
{あの夏にね くれたピアス 「ずっとありがとう」って海に投げたの 忘れられる気がしたけど 思い出だけは 波も飲み込みきれない 心とけた過去は消えないわ}
{私に染み込んでいるあの口癖は あなたのものだったの 消えないで なんて願ってばかみたい 愛してる 愛してるなんて言っても もう なにも動かないの 運命だと信じてた日々よ さようなら}
すっごく歌詞が重い。これは全文ではないが、一部好きな部分を抜粋した。ラストのサビの転調はたまらない。だが、歌詞がね……。
あまりにもリアリティーのある女性目線の歌詞に、思わず心が痛んだ。ここまで感情移入できるものは果たしてあっただろうか。薄っぺらい歌詞を書いている人に見せつけてやりたい。たくさん書いてもいいけどこれくらい心に刺さるものを書けよと。そう言いたい。
私も交際していた女性と別れた経験がある。あの人もそう思っていたのかもしれないと思い出すと心苦しいものだ。心溶けた過去は消えないわ。ああー。結局のところ言いたいのは、個人的失恋ソング界の最高峰ということである。懐古厨の私であってもこれはオススメ。あのアホ男にむしゃくしゃしている女性はぜひ。
【今日の名歌詞】
あの夏にね くれたピアス 「ずっとありがとう」って海に投げたの 忘れられる気がしたけど 思い出だけは 波も飲み込みきれない 心とけた過去は消えないわ
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